ゴールドマン、今年5回の米利上げ見込む-従来の4回から予想を修正
Simon Kennedy-
賃金の伸びがFRB物価目標と合致する水準を上回って推移と指摘
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FRB議長発言はより積極的な引き締めペースにオープンな姿勢示す

A television screen displays news about the Federal Reserve announcement while a trader works in the Goldman Sachs Group Inc. booth on the floor of the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S., on Wednesday, April 27, 2016.
Photographer: Michael Nagle米金融当局による今年の利上げ回数の予想を引き上げたウォール街関係者にゴールドマン・サックス・グループのエコノミストも加わった。
ヤン・ハッチウス氏ら同社エコノミストは、連邦公開市場委員会(FOMC)が今年、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを5回行うと現時点で予想している。以前は4回の利上げを見込んでいた。5回実施されればフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は今年末までに1.25-1.5%に引き上げられることになる。
ゴールドマンは3月と5月、7月、9月、12月の政策金利変更を予想。6月にはバランスシート圧縮開始が発表されると見込む。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週のFOMC会合後の記者会見で、3月に政策金利を引き上げる準備が整っているとしたほか、毎会合で利上げを決定する可能性も排除しない姿勢を示した。
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ゴールドマンのエコノミストは顧客向けリポートで、「賃金の伸びがFRBのインフレ目標と合致する水準を上回って推移していることを示す証拠が強まった」とし、「パウエル議長のコメントは、FRB指導部がより積極的な引き締めペースにオープンな姿勢であることを明確にした」と指摘。
市場環境が変化したり経済が予想より急激に減速したりした場合、FRBが方針を変える可能性もあり、インフレ高進の継続で現在の予想をさらに上回る金融引き締めを実施することもあり得ると分析した。
バンク・オブ・アメリカは今年7回、BNPパリバは6回、JPモルガン・チェースとドイツ銀行は5回の利上げを予想している。
野村ホールディングスは3月中の50bp利上げを予想。実現すれば2000年以来の大幅利上げとなる。
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ブルームバーグ・エコノミクスは5回利上げの予想を維持しているが、アナ・ウォン・チーフエコノミストは6回となるリスクもあると指摘している。
原題:
Goldman Sachs Predicts Fed Will Raise Rates Five Times This Year(抜粋)