株式に「降伏なし」、相場急落中もファンドに171億ドル流入-BofA
Michael Msika-
市場で見られるのは「慢心を売り、屈辱を買う」取引-BofA
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債券ファンドからは102億ドルが純流出-利回り上昇で下押し圧力

Monitors display stock market information at the Nasdaq MarketSite in New York, U.S., on Friday, Jan. 28, 2022.
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg米国株は今週、激しい売りを浴びたものの投資家はひるんでいないようだ。S&P500種株価指数が大きく下げて調整入り目前まで近づいた今週、株式ファンドには多額の資金が流入した。
マイケル・ハートネット氏ら米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは「株式のポジショニングに降伏は全く見られない」と28日付のリポートで指摘。EPFTグローバルのデータを基に、株式のミューチュアルファンドと上場型投資信託(ETF)には26日までの1週間に差し引き171億ドル(約2兆円)が流入したと説明した。
株式ファンドへの資金流入が増えているのに株式相場が下落するというのは一見矛盾したように聞こえるかもしれないが、デリバティブ(金融派生商品)での資金の流れと比べれば、株式ファンドへの資金流入は市場で起きていることのほんのわずかな一部だ。投資家は主に市場のセンチメントを測る目安として、こうしたデータを追っている。
データによれば、テクノロジー株が大きなマイナスに見舞われているものの、リテール投資家の間ではなおリスク選好が見られる。BofAのストラテジストによれば、株式ファンドには年初以降、840億ドルが純流入。18営業日のうち純流出となったのはわずか2日だった。

ハートネット氏はリポートで、クリーンエネルギーやソーシャルメディア、暗号資産(仮想通貨)、イノベーションといった分野が顕著に下げた最近の相場について、「慢心を売り、屈辱を買う」動きだと表現した。
データ全体を見ると、投資家が不安を抱えていないわけではないことも分かる。リポートによれば、投資家の現金保有高は149億ドル増加した。
一方、利回り上昇で下押し圧力がかかる債券ファンドは102億ドルの純流出に見舞われ、1週間の流出額としては2021年3月以来の大きさとなった。
原題:BofA Sees ‘Zero Capitulation’ as Stock Funds Take In $17 Billion(抜粋)