北朝鮮、新年入り後に6回のミサイル発射実験-金正恩体制下で最多
Iain Marlow-
25日に長距離巡航ミサイル2発、27日には戦術誘導弾2発を発射
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経済制裁巡る米国への不満を示すために実験加速か

A North Korean flag flies
Photographer: Samsul Said/Bloomberg北朝鮮は28日、今週に入ってからミサイルを4発発射したと確認した。最高指導者の金正恩朝鮮労働党総書記は経済制裁を巡る米国への不満を示すため、武器の実験を記録的なペースに加速させている。
国営朝鮮中央通信(KCNA)がこの日伝えたところによると、25日に発射した長距離巡航ミサイル2発は朝鮮半島の東側上空の軌道に沿って1800キロメートル飛行し、目標の島に命中した。事実と確認されれば、北朝鮮の巡航ミサイルの飛行距離ではこれまでで最長となる。低空飛行で探知されるのを回避し、日本のほぼ全土を攻撃できる能力を持つことになる。
27日にも戦術誘導弾2発を発射。「地対地の戦術誘導弾の常用戦闘部の威力の確証」が目的だとした。

韓国軍合同参謀本部は27日、北朝鮮が同日発射した飛翔(ひしょう)体は短距離弾道ミサイルと推定され、約190キロメートル飛行したと分析していた。
北朝鮮によるミサイル発射実験は今年に入ってから既に6回に達した。10年前に金正恩氏がトップに就任して以来、月間で最多となっている。試射された計10発には、新型の極超音速ミサイル2基も含まれ、既に昨年1年間の発射回数に並んでいる。
金総書記は先週、核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験の4年間にわたる自主的なモラトリアムを解除する可能性を示唆した。
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The Firing Line
Ballistic missile tests under Kim Jong Un
Sources: South Korea Ministry of Defense and Center for Nonproliferation Studies
バイデン米政権は北朝鮮によるミサイル発射を非難し、金総書記に交渉のテーブルに戻るよう呼び掛けている。韓国の聯合ニュースが匿名の関係者を引用して伝えたところによれば、ブリンケン米国務長官は来月、北朝鮮問題について協議するためハワイで日韓外相と会談する計画。
KCNAは、「長距離巡航ミサイルシステムの実用的な戦闘的性能が国の戦争抑止力強化」に寄与することが今週のミサイル試射によって証明されたと指摘。国防科学院が「戦闘機能と任務遂行能力を有する強力な弾頭」の開発を続けるとした。
KCNAは、金総書記が「重要な武器システム」を製造する軍需工場を視察したことも伝えた。
原題:
North Korea Confirms Missile Launches in Busiest Month Under Kim(抜粋)