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オミクロン後を見据える、コロナ共存時代の最も安全な国ランキング

  • アラブ首長国連邦が1位-100%近いワクチン接種率、渡航の自由
  • インフルエンザ同様に扱うべきだとの論調も-中国はゼロコロナ維持
Nurse Jason Doff and Dr. James Darnton (R) check on a patient at Harborview Medical Center in Seattle, Washington. 

Nurse Jason Doff and Dr. James Darnton (R) check on a patient at Harborview Medical Center in Seattle, Washington. 

Photographer: Karen Ducey/Getty Images North America

オミクロン変異株は新型コロナウイルスへの世界の対応に新たな時代をもたらした。これまでなかったような急激なペースで感染を広げた変異株だが、多くの国はむしろ、ウイルスとの共存と経済再開を決意した。

  オミクロン株に感染しても症状は比較的軽く、ワクチン接種拡大で死者数が抑えられていることもあり、流行はピークアウトして素早く収束に転じる。このため英国やタイ、アイルランド、フィンランドは制限を数週間で解除することができ、ブルームバーグが毎月まとめる世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」で順位を上げた。

  各国の新型コロナ対応は、より長期的な戦略に落ち着きつつある。この傾向は、今月のランキングでアラブ首長国連邦(UAE)が昨年11月に続いて再び1位となったことに反映された。同国は数カ月にわたり、100%近いワクチン接種率と渡航の自由を組み合わせる政策を取ってきた。オミクロン株の流行が比較的小規模で済んだことでロックダウン(都市封鎖)再開の可能性もなく、原油相場回復に伴い高成長が今年見込まれる。

  同様に、高いワクチン接種率と堅調な経済見通しによりサウジアラビアが順位を18段階上げて2位に浮上した。3位はフィンランド。

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  COVID耐性ランキングは、どの国・地域が社会・経済への打撃を最小限に抑えながら最も効果的に対応できているかを示す月ごとのスナップショットだ。感染抑制や医療の質、ワクチン接種率、死亡率、渡航再開・国境閉鎖緩和の進展度合いなど12のデータ指標に基づいて、新型コロナに立ち向かう世界の53の国・地域を比較する。

ブルームバーグCOVID耐性ランキングの補足説明

  これまでで最も免疫をすり抜けやすいオミクロン株を巡る懸念は、症状の軽さを示すデータによって和らげられた。ワクチン接種やブースター(追加免疫)接種を受けた人は特にそうだ。オミクロン株の流行が早かったチェコや南アフリカ共和国は、死者と混乱が大きく広がることもなく新規感染者の伸びも鈍化し、順位を上げた。

  「感染力は強いが症状は軽い」というオミクロン株の性質は、新型コロナ感染症を季節性インフルエンザ同様に扱うべきだという議論を世界的に加速させたようだ。スペインや日本などで、新型コロナはワクチン接種で管理可能などといった論調が強まっている。日本の順位は10段階上がって17位。

新型コロナをインフルエンザと同じ扱いに-分類引き下げの声高まる

Handling the Covid Era

Omicron and winter are reshaping the best places to be in Covid

Note: Map shows the Covid Resilience Score for distinct economies. A higher score indicates a better outcome.

  顕著な例外は中国本土と香港だ。むしろ、ますます熱心にゼロコロナ政策を追求している。

  香港のランキングは9段階下げて33位。少数のオミクロン株感染者が見つかると、部分的なロックダウンや渡航者の隔離、フライト停止、流行源と疑われたペット用ハムスターの殺処分などの措置を講じた。中国本土ではデルタ株とオミクロン株の感染が今月ともに拡大し、政府は旧正月の連休を前に人々に移動自粛を呼びかけた。それでも、社会・経済的影響は他の国・地域に比べて小さく、1月の順位(18位)は10段階上昇した。

  64%という香港の相対的なワクチン接種率の低さと中国が採用しているワクチンの効果が、慎重な対応に影響している。ワクチンは引き続き、ランキングを左右する鍵になっている。米国は今月、11段階後退の23位と順位を落とした。オミクロン株感染急拡大の中で死者数の増え方が欧州を上回ったためで、ワクチン接種率の低さが理由とみられる。欧州各地で見られるようなワクチン義務化は全米に広がっていない。

  フィリピンは再び、最下位となった。へき地へのワクチン普及が困難で、同国でのオミクロン株感染はマレーシア、インドネシア、タイなど他の東南アジア諸国以上に広がっている。

  1月のランキングには、より明確になった各国・地域の経済見通しも影響した。国内総生産(GDP)予想が2022年見通しを反映して更新されたためで、東南アジアと中東の新興市場国のスコアが先進国・地域との比較で上昇する結果となった。

将来

  ブルームバーグは2000年11月から、COVID耐性ランキングを発表してきた。21年半ばからは経済再開と渡航・移動の回復も考慮し、パンデミック後の経済見通しにも注目した。

  1月のランキングは最終的な判定ではない。ウイルスとワクチンについてのデータが不完全であり、この危機が急速に展開することを踏まえれば最終的な判定などはあり得ない。

  しかし、2年を超える新型コロナとの闘いを経て、各国・地域政府と国民はウイルス、およびそれがもたらすダメージを緩和する方法について理解を深めたことは確かだ。

 

原題:The Best and Worst Places to Be as We Learn to Live With Covid(抜粋)

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