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丸紅がガビロン穀物事業を売却、最大4000億円資金回収見込み

更新日時
  • 今後は米国での穀物サプライチェーンの強化や農薬・肥料事業に注力
  • 23年3月期に譲渡を完了し譲渡益の計上を見込む

丸紅は26日、傘下の米穀物会社ガビロンの事業を再編し、一部の資産や事業を丸紅に移管した上で穀物事業をカナダの穀物流通会社バイテラに売却すると発表した。

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穀物積み出し用施設(2012年、米ウィスコンシン州)
Photographer: Ariana Lindquist/Bloomberg

  丸紅への移管対象は米西海岸からの穀物輸出事業や米北部の保管施設などで、同社は今後米国内の穀物サプライチェーンの強化や農薬・肥料事業に注力する。

  同社はバイテラへの事業売却でガビロン・グループ向け融資の回収も含めて合計3000億-4000億円程度の資金回収を見込む。2023年3月期中を予定している譲渡の完了後、純運転資本や純有利子負債などに基づいて譲渡価格を決定する予定で、同期の決算で譲渡益を計上する予定だという。

  古谷孝之最高財務責任者(CFO)は発表後に会見し、売却により百億円単位の売却益が生じる見通しで、「財務基盤が大幅に改善する」と説明。そのため、成長投資や株主還元に充てる資金の自由度が高まると話した。

一時は損失も

  丸紅は13年に、穀物取引の規模を拡大するため約27億ドル(現在のレートで約3074億円)でガビロンを買収。しかし買収以降、商品価格の下落や米中の貿易戦争などが重しとなり売却の検討を始めていた。

丸紅、傘下の米ガビロン売却を複数の買い手候補に打診-関係者 (2)  

  20年3月期には新型コロナウイルス感染の拡大などの影響でガビロンで800億円の一過性損失を計上していた。丸紅の発表資料によると同期のガビロンの純損益は879億円の赤字だったが、21年3月期には215億円の黒字に転換した。

  古谷氏は、ガビロン事業について、商品を仕入れてから長期間保有した後に最適な時期に売るという事業形態であるため、多額の運転資金を要する一方で、収益性は他の事業と比べ低かったことを明らかにした。

  

2012年以来の高値水準に
 
 

  会見に同席した食料・アグリ・化学品事業を統括する寺川彰副社長は、売却のタイミングについて「穀物市況が買収後に大幅に下がったのは想定外だった」とした上で、「足元では穀物市況は回復しており、利益を最大化できる機会」と捉えたと説明した。

(会見の発言を追加して記事を更新します)
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