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黒田総裁、2%目標達成前の利上げを否定「議論していない」

更新日時
  • 緩和修正の必要「全くない」、長短金利引き下げの可能性にも言及
  • 賃金上昇が極めて重要な要素、賃上げと経済回復の好循環を強く期待

日本銀行の黒田東彦総裁は18日、金融政策決定会合後の記者会見で、2%の消費者物価上昇が安定的に達成されるまで長短金利の引き上げは想定していないと語った。「利上げの議論は全くしていない」としている。

   「物価が2%に向かって着実に上昇している訳ではない」とし、「現在の金融緩和を修正する必要は全くない」と述べた。一時的な資源価格上昇で物価が上がっても金融引き締めはないと明言し、「必要ならさらに引き下げる」とも語った。

  2023年4月の自身の任期切れと超緩和政策の正常化の関係についても、「私の任期に合わせて正常化を議論するつもりは全くない」と否定した。

  ロイター通信は14日、複数の関係者の情報に基づき、日銀は先行きの利上げをどのタイミングで予告し始めるかについて議論しており、利上げは2%の物価安定目標の達成前に実施される可能性があると英文記事で伝えた。これを受けて市場の一部では日銀の早期利上げ観測が浮上していた。

  黒田総裁は、物価は現在の資源価格の高騰を背景とした上昇から、需給改善などを通じた基調的な動きに変わっていくとの見方を示したが、見通し期間の最終年度の23年度でも2%が展望できる状況ではないと指摘。持続的な上昇には、岸田政権が重視する「賃金の上昇が極めて重要な要素」と述べ、「労使双方の取り組みで、賃上げと経済回復の好循環が実現していくことを強く期待している」と強調した。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda News Conference After Rate Decision
黒田東彦総裁  (21年12月17日)
Photographer: Keita Iijima/The Yomiuri Shimbun/Bloomberg

他の発言

  • 需給ギャップ拡大の下で物価・賃金の上昇を目指している
  • 円安が全体として日本経済にプラスとの構図に変化ない
  • 悪い円安とは考えていないし、考える必要もない
  • 大手行のマイナス金利適用が副作用を大きくすることはない
  • 女性幹部比率の目標は達成できると考えている

  日銀は経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2022年度の消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)見通しを1.1%上昇(従来0.9%)に上方修正した。物価見通しのリスクバランス評価も14年4月以来の中立に引き上げた。金融政策運営は現状維持を決めた。

日銀が22年度物価を1.1%に上方修正、リスク評価中立-政策維持 

 予想時点実質GDPコアCPI
2021年度1月2.8 0.0
 10月3.40.0
2022年度1月3.81.1
 10月2.90.9
2023年度1月1.11.1
 10月1.31.0
(黒田総裁の賃金上昇についての発言を追加します)
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