きょうの国内市況(1月12日):株式、債券、為替市場
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●日本株は4日ぶり反発、米金融政策の警戒和らぐ-東証1部の88%上昇
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東京株式相場は大幅高となり4営業日ぶりに反発。日経平均株価の上げ幅は500円を超えた。米国で連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任指名承認公聴会が終了した後にS&P500種指数が6営業日ぶりに上昇し、金融引き締めへの警戒感が和らいだ。パウエル議長はインフレ抑制に向けた強い姿勢を示した一方で、金融政策については詳細な道筋を示さなかった。米長期金利の上昇が一服し、半導体関連を含む電機株の上げが目立った。東証1部銘柄のうち88%が値を上げた。
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SBI証券の鈴木英之投資情報部長
- パウエルFRB議長は公聴会で市場の想定を超えるタカ派的な発言がなく、日本株でも買い安心感が広がった。前日までの株安で前のめり気味に早期の米金融引き締めを織り込んでいただけに反動が出やすかった
- 急上昇していた米長期金利が落ち着き、きょうは日経平均型のグロース(成長)銘柄の反発が目立った
- 景気の改善を背景に業績期待が高まっているため、きょうの反発基調は持続するのではないか。企業決算の発表がこれから本格化する中で、市場のテーマは金利から企業業績へ移行するだろう
東証33業種
上昇率上位 | 鉱業、海運、金属製品、機械、不動産、電機 |
下落率上位 | 電気・ガス、保険 |
●債券は上昇、米長期金利低下で買い優勢-5年債入札の無難通過も支え
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債券相場は上昇。前日の米国市場で長期金利が低下したことを受けて買いが優勢となった。この日行われた5年債入札が無難な結果に終わったことも下値を支えた。米国債相場が下げ止まり国内債の地合い好転を指摘する声もあった。
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト
- 5年債入札は最低落札価格が事前予想と一致するなど無難な結果だった
- 水準的に魅力があったことに加え、米債相場が下げ止まり地合いが好転したことが奏功
- 先物に加え、現物債も堅調に推移し、入札が無難な結果に終わったことが相場のサポート要因に
- 引けにかけて先物に大口の買いが入ったとみられ、現物債もつれて一段高となった
5年債入札
- 最低落札価格は100円21銭と市場予想と一致
- 応札倍率は3.34倍と前回3.63倍から低下
- 小さければ好調を示すテール(最低と平均の落札価格の差)は2銭、前回は1銭
●ドル・円は115円前半、米金利低下や株高でドル売りと円売りの綱引き
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東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=115円前半で小動き。前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け、米金融引き締めへの警戒感が一服する中、株高や米金利低下を背景に円売りとドル売りに挟まれ、動きづらい展開となった。原油など資源価格の上昇を手掛かりに資源国通貨が強い。
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三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの持田拓也調査役
- 年始から金融政策正常化方向で米株が売られて米金利もかなり上昇していたが、パウエル議長の発言で少し落ち着いた感じ。原油なども強かったが、材料を消化して安心感が出たというのが一番ではないか
- 米金利も安心感で買い戻されているとはいえまだ高い水準である一方、株がきちんと買い戻されている中では、ドル・円はもう少し戻す余地があるのではないかと思う