コンテンツにスキップする

日本は環境税引き上げを、脱炭素化は20年代が鍵-玉木元財務官

  • ガソリン1リットル当たり0.76円の課税水準は低いと玉木氏
  • CO2排出量に応じて課税するカーボンプライシングは最優先事項

元財務官で国際金融情報センターの玉木林太郎理事長は、2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を達成するには、環境税を早急に引き上げる必要があるとの認識を示した。

  玉木氏は11日のブルームバーグとのインタビューで、12年に導入された「地球温暖化対策税」はガソリン1リットル当たり0.76円と課税水準が低いと指摘。人々の行動を変えるには「高く設定し、さらに5年後、10年後に高くする道筋を示す」ことで、ガソリン車やディーゼル車は負担が大きくなることを伝えておく必要があると語った。

JCIF President Rintaro Tamaki
国際金融情報センターの玉木林太郎理事長
 

  二酸化炭素(CO2)排出量に応じて課税するカーボンプライシングの導入は最優先事項だと述べた。行動変容を促す手段として20年7月に導入されたレジ袋の有料化を例に、「価格シグナルで人々のマインドセットが変わっていくように仕向けるお手伝いを、政府は早急にやった方が良い」と話した。

  菅義偉前首相が20年10月に表明した50年のカーボンニュートラル達成目標を見据え、政府は30年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減することを目指している。

  環境省は、22年度の税制改正で脱炭素化の実現に向けたカーボンプライシングを含むポリシーミックスの推進を要望したが、大綱には明記されなかった。

  脱炭素化へ短距離フライトや二酸化炭素排出量の多い自動車の禁止に言及した玉木氏は、人々の行動が変わらないと「政府介入が必要になる」とも指摘。「20年代に大幅な進展がないと、30年になって宿題をやろうとしても尋常な方法では間に合わない」と警鐘を鳴らした。

  グリーン国債の発行については、「保険会社や年金基金の需要に応えるという意味もあり、決して悪いことではない」としながらも、今はカーボンプライシングを最優先に取り組むべきだとの認識を示した。

他の発言

  • 岸田政権の掲げる新しい資本主義は、何に比べて新しいのか。今の日本の資本主義は株主に特化した新自由主義的なものではない
  • 家計の実質購買力の維持こそ経済政策の本来の目的。国民各層に購買力が行き渡るようなさまざまリフォームをしてきたかというと満点には程遠い
  • 普通の労働者家庭で考えると、長期の円安は豊かにしないケースが多い。円安が善というのは誰の議論か
  • 22年はインフレが米国の利上げを加速させる。そのしわ寄せでコロナ禍で債務が累積している新興諸国に及ぼす影響が懸念の一つ。ウクライナ紛争などの地政学的リスクや、気候変動に代表される構造問題も懸念材料
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE