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パウエル議長、インフレ懸念の議員から質問攻めへ-11日に承認公聴会

  • 利上げ開始時期やバランスシート、当局者の倫理など問われる見通し
  • 議員は中間選挙控えインフレに敏感-エコノミストのトム・ポーセリ氏
Senator Pat Toomey, a Republican from Pennsylvania and ranking member of the Senate Banking, Housing, and Urban Affairs Committee, speaks during a Senate Banking Committee hearing with Jerome Powell, chairman of the U.S. Federal Reserve, in Washington, D.C., U.S., on Thursday, July 15, 2021. 

Senator Pat Toomey, a Republican from Pennsylvania and ranking member of the Senate Banking, Housing, and Urban Affairs Committee, speaks during a Senate Banking Committee hearing with Jerome Powell, chairman of the U.S. Federal Reserve, in Washington, D.C., U.S., on Thursday, July 15, 2021. 

Photographer: Al Drago/Bloomberg

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は11日の再任指名承認公聴会で、金融当局にとってここ数十年で最も急激な引き締めシフトについて、質問攻めに遭うことが予想される。

Treasury Secretary Yellen And Fed Chair Powell Testify Before House Financial Committee On Pandemic Response
パウエルFRB議長
Source: Bloomberg

  上院銀行住宅都市委員会の公聴会でパウエル議長(68)は民主、共和両党議員から幅広い支持を受け、再任の承認を得られる見込み。しかし議員らが、利上げ開始時期や気候変動リスクに関連した銀行資本基準の採用の是非など、さまざまな点でパウエル氏の見解を問いただすのは確実だ。公聴会は首都ワシントンで午前10時(日本時間12日午前0時)に開始予定。

  RBCキャピタルマーケッツの米国担当チーフエコノミスト、トム・ポーセリ氏は「現在の金融政策の状況および、今後の方向性に対するパウエル氏の考え方に大いに焦点が当てられるだろう」と指摘。昨年11月に行われた複数の州レベルの選挙では「インフレが重大な問題であることが明確になった」とし、今年11月に中間選挙を控えて議員が生活費の上昇に敏感であることが浮き彫りになっていると話した。

  公聴会で取り上げられる公算の大きい主要な問題は以下の通り。

金利

  米金融当局が3月にフェデラルファンド(FF)金利を引き上げ始めるとの予想が投資家の間で高まっている。7日に発表された昨年12月の雇用統計で失業率が3.9%に低下し、新型コロナウイルス感染がパンデミック(世界的大流行)になる前の3.5%に近づいたことを受け、そうした見方が強まった。エコノミストの間では、利上げ開始予想を3月に前倒しする動きも見られた。

  パウエル議長が前回、議会の公聴会に臨んだのは昨年11月。その際にも共和、民主両党議員からインフレに対する金融当局の対応について質問を浴びせられた。

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オミクロン変異株

  昨年12月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、新型コロナのオミクロン変異株感染拡大によりサプライチェーン制約が長引くリスクを当局者が懸念していることが示された。パウエル議長もこの点について認識を問われるだろう。

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バランスシート

  米連邦準備制度の8兆8000億ドル(約1015兆円)規模に上るバランスシートをいつ、どのように縮小させるかについての質問も見込まれる。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は7日、「1回か2回利上げ」した後に「バランスシートを調整することが考えられる」と述べた。

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政策決定当局者による取引

  一部の当局者による金融取引に関連した倫理問題については、少なくともウォーレン議員が取り上げる公算が大きい。同議員は10日付でパウエル議長に宛てた書簡で、こうした取引の詳細を1週間以内に公表するよう要求した。

金融規制

  バイデン大統領は昨年11月、パウエル氏のFRB議長への再指名を発表した際、議長が気候変動は金融システムにリスクを及ぼすとの認識を明確に示し、金融規制に向けたFRBの積極的な役割が重要だと強調したと述べた。上院の民主、共和両党はこの問題に関して立場を著しく異にしている。

  パウエル議長は暗号資産(仮想通貨)の監督についての見解も問われる可能性がある。議長はステーブルコインの規制を支持している。ステーブルコインは法定通貨などに連動させることで価値の安定化を図る暗号資産。

気候変動リスク

  パウエル氏は昨年10月、気候変動が米金融安定にとって「迫りくる脅威」だとの見解に支持を表明した。しかし、そうしたリスクを銀行の資本基準に結び付ける案を採用してはいない。

原題:Powell Heads for Senate Vetting Punctuated by Inflation Urgency(抜粋)

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