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TDK社長、5、6年で電池事業の売上高倍増目指す-中型分野を強化

  • 中型電池は家庭用蓄電やスマホ基地局、電動二輪車向けに商機
  • 中国CATLとの合弁設立、「関係省庁・機関への申請作業の最中」

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スマートフォン向け小型リチウムイオン電池で世界シェアトップのTDKは、電動二輪車などに使われる中型分野を今後強化し、5、6年で電池関連事業の売上高を倍増させたい考えだ。

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TDKの石黒社長
Source: TDK Corp.

  石黒成直社長は昨年12月28日のインタビューで、小型電池の年間売上高が7000億-8000億円規模に拡大する中、中型も「5、6年のうちには似たような規模にしたい。それくらいのポテンシャルはある」と述べた。中型電池では家庭用蓄電システムやスマホ基地局、電動二輪車向けに商機があるとみる。

  電池を含む「エナジー応用製品事業」の2021年3月期売上高は、前の期と比べ24%増の7402億円と増加基調が続き、同社の稼ぎ頭に成長している。

  TDKは昨年4月、子会社の香港アンプレックステクノロジー(ATL)が電気自動車(EV)向け電池の世界最大手、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と双方の特許権を相互利用するクロスライセンスや合弁会社の設立など業務提携することで合意したと発表し、中型分野の強化を表明した。

スマホやPC向けで右肩上がり

TDKのエナジー応用製品事業の売上高推移

出所:TDK、年度別

  石黒社長は中型強化の狙いについて、今後電池市場ではEV向けが拡大し、相対的に小型の割合が小さくなる可能性があると指摘。材料の調達や人材、技術の獲得などで取り残されるリスクが出てくると説明した。ただ、EV向けへの参入は巨額投資の継続が必要なため、「今さら四輪の市場を目指すのは私の中にはない」という。

  小型電池は、新型コロナウイルス感染拡大による非接触需要の高まりを背景にパソコンやタブレット向けが大きく伸びた。石黒社長は、今後は高原状態のスマホを含め、「かつてのように右肩上がりは考えにくい」としながらも、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、モノのインターネット(IoT)関連の新たな機器の進化で「小型のバッテリーはまだまだ伸びていく」と安定的な成長に期待感を示す。

  TDKは05年にATLを約100億円で買収した。市場調査会社のテクノ・システム・リサーチによると、20年の携帯電話向け電池シェアはATLが38%で世界首位。石黒社長は、CATLとの合弁設立に向け「関係省庁、関係機関への申請作業をしている最中」と話し、具体的な設立時期については言及しなかった。

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中国にあるATLの工場
Source: TDK Corp.

  また、TDKでは昨年、24年3月期の売上高を2兆円、営業利益率を12%以上に引き上げる中期経営計画を公表している。17年の米インベンセンス買収などを通じて強化しているセンサー事業に関しては、将来的に売上高で「2000億円、3000億円というビジネスになる」と石黒社長は語った。

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