コンテンツにスキップする

日銀が物価見通しのリスク評価変更を議論へ、従来「下振れ」-関係者

更新日時
  • 金融緩和姿勢の変更を迫るものではない、物価2%には距離
  • 成長率見通しは21年度引き下げ検討、22年度は対策効果で上方修正も
A Japanese national flag flies outside the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Sept. 27, 2021. 

A Japanese national flag flies outside the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Sept. 27, 2021. 

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本銀行は今月の金融政策決定会合で、経済・物価情勢の展望(展望リポート)の物価見通しについて、「下振れリスクの方が大きい」としてきたリスク評価の変更を議論する。複数の関係者への取材で分かった。

  リスク評価は2014年10月から下振れリスクに言及していた。金融政策決定会合は17、18日に開かれる。

  関係者によると、原材料価格の高騰を背景に、企業の価格設定行動やインフレ期待に足元で変化がみられていることなどを反映する。世界的にインフレ懸念が長期化し、企業行動にも変化が見られる中、物価の下振ればかりを気にしていた従来とは状況が異なるという。

昨年10月展望リポートにおける政策委員の大勢見通しの中央値(対前年度比)

 実質GDPコアCPI
2021年度  3.4% 0.0%
2022年度  2.9% 0.9%
2023年度 1.3% 1.0%

  11月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年同月比0.5%上昇となり、20年2月以来、1年9カ月ぶりの高い伸びとなった。企業間で取引するモノの価格を示す企業物価指数は、同月に同9.0%上昇と41年ぶりの伸び率となっており、原材料価格上昇を背景に、企業が販売価格に転嫁する動きも広がりつつある。

  関係者によると、展望リポートでは23年度までの見通し期間に物価が2%目標に届かない姿が改めて示される可能性が高く、物価のリスク評価が変更されたとしても、金融緩和を続ける方針に変化を迫るものではないという。コスト増に伴う価格転嫁が中心であることに加え、新型コロナウイルスの感染状況や賃上げ動向などの不透明感は根強く、基調的な物価上昇圧力の持続性には懐疑的な見方が少なくない。

  同時に示す経済成長率見通しについては、夏場のデルタ株の感染拡大に伴う行動制限や供給制約の影響などを反映して21年度の下方修正を検討する。一方、政府による大規模な経済対策の効果を織り込み、22年度は上方修正となる見通しだ。

Bank of Japan Headquarters Ahead of It's Business Confidence Tankan Report
日本銀行
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
(前回の展望リポートの表などを加えて更新しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE