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今年の長期金利:上昇は限定、米利上げ織り込み済みで物価高も一時的

2022年の長期金利は、日本銀行の長短金利操作(YCC)が引き続き威力を発揮し、上昇は限定的と予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)による複数回の利上げは市場で織り込み済み、国内物価は携帯電話料金値下げの影響がはく落して春先から上昇する見通しだが、これも一時的とみられており、長期金利を大きく押し上げるには至らない公算が大きい。

  長期金利の上限について、今年の予想レンジを聞いた3人とも昨年の最高水準となる0.175%(2月26日)を下回るという見立てとなっている。一方、下限については、昨年は緊急事態宣言下の夏場に新型コロナウイルス感染者が急増した局面でもゼロ%(8月4日)までの低下にとどまっており、今年も基本的にゼロ%前後になるとの見方だ。

市場参加者の見方

◎東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト

  • 国内長期金利と連動性の高い米長期金利が2%まで上昇すれば0.15%まで上昇する可能性があるが、世界的なインフレは沈静化の方向にあり、米長期金利は21年3月に付けた1.77%を上回ることはないのではないか
  • 日銀のYCCが続く限り長期金利は基本的に大きく動かないとみている
  • 下限をマイナスの予想にした理由は、可能性は低いが新型コロナウイルスの影響が読めないためのバッファー(緩衝材)
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.05%~0.15%

◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト

  • 携帯電話通信料引き下げの影響がはく落することで、生鮮食品を除くコアCPIは春先に前年比1%まで上昇すると予想
  • 長期金利が上限に近づくのは物価の一時的な上昇局面になると想定。ただ、日銀の金融政策変更を巡る市場の思惑も物価のピークアウトにより、一時的なものにとどまる
  • FRBが22年に2~3回の利上げを行うことは市場も織り込み済みで、想定通りであれば国内債にとって大きな材料にはならない
  • 長期金利の予想レンジはゼロ%~0.15%

◎野村証券の中島武信チーフ金利ストラテジスト

  • グローバルなインフレは来年初頭にピークアウトするという見方が多い。米長期金利は1.3%~1.6%と低い上限を想定している
  • 日銀の黒田東彦総裁は国内物価について、「実力ベースでプラス0.5%」と述べており、日銀も大幅な上昇は想定していない
  • 長期金利上昇のテールリスクとして意識されるのは、黒田総裁の2023年4月の退任を控え、日銀が金融緩和縮小の地ならしを始める可能性。2%物価目標の到達が見通せない中、いずれ必要となる同コミットメントの修正を見据えて何らかの動きがあれば金利上昇要因に
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.09%
2021年の長期金利の推移
 
 

 

 

 

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