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ソフトバンクG出資センスタイム創業者、3900億円の資産家に-30日上場

  • センスタイムの香港IPO、米の投資制限発表で一度は延期
  • 創業者の湯暁鴎氏は世界有数の富豪に-香港中文大学教授の顔も

中国の人工知能(AI)最大手、商湯集団(センスタイム)が30日、香港に上場する。米政府が今月、同社の傘下部門を人権侵害の疑いで投資制限リストに加えると発表したばかりだった。21%の株式を保有する創業者の湯暁鴎氏は間もなく世界有数の富豪の1人に躍り出る。

  センスタイムは新規株式公開(IPO)価格を1株3.85香港ドルに設定。IPO規模は55億5000万香港ドル(約820億円)に上る。

  IPO価格は仮条件の下限にとどまったが、米国との対立激化やテクノロジー大手に対する締め付けを進める中国は、それでも膨大な富を築き、ベンチャーキャピタリストにとっても多額の利益が生み出される市場であることが示されている。

ソフトバンクG出資センスタイム、香港IPO価格を仮条件下限に設定

Alibaba Group Chairman Jack Ma Attends Jumpstarter Grand Finale Event
センスタイム創業者の湯暁鴎氏
Source: Bloomberg

  ブルームバーグのビリオネア指数によると、センスタイム創業者の湯氏(53)が保有する同社株の価値は34億米ドル(約3900億円)相当。センスタイムの担当者は同氏の純資産に関してコメントを控えた。

  センスタイムは以前から大型IPO銘柄と期待されていたが、ここ数年は批判も浴びていた。米政府が新疆ウイグル自治区のイスラム教徒への抑圧にセンスタイムの顔認識ソフトウエアが使われていると主張したことで、同社は香港上場の一時延期を余儀なくされた。センスタイム側は米政府の主張には根拠がないと反論している。

  配車を手掛ける滴滴グローバルのニューヨークIPOが中国規制当局の反発を招いて以来、注目を集める中国のテクノロジーユニコーン企業による初の本土外IPOがセンスタイムの香港上場ということになる。

大学教授の顔

  顔認識に必要となるAI開発に長らく携わってきた湯氏は、中国科学技術大学で学士号を取得した後、ニューヨーク州のロチェスター大学を経て水中ロボット工学やコンピュータービジョンを研究したマサチューセッツ工科大学(MIT)で1996年に博士号を得た。

  湯氏はマイクロソフトリサーチアジアに数年勤務した後、パソコンメーカーの聯想集団(レノボ・グループ)でリサーチサイエンティストを務めていた徐立氏と2014年にセンスタイムを設立。IDGキャピタルからは早い段階で出資を受け、その後もソフトバンクグループやアリババグループ、シルバーレイクなどから資金を調達した。湯氏は香港中文大学で情報工学の教授も務めている。

  センスタイムは延期した香港IPOのプロセスを早くも再開。同社は香港取引所に提出した法律的見解で、今回の制限は対象とする部門の親会社には適用されなかったと主張。計画するIPOの規模は変わらなかったが、報道によれば個人投資家の慎重な見方は強まった。

ソフトバンクG出資センスタイム、香港IPOプロセス再開-30日上場

  光大新鴻基のストラテジスト、ケニー・ヌン氏は「短期での利益を期待する個人投資家の熱気が今回の制裁要因で冷めるのは分かる」と指摘。「最近は香港株全般が低調に推移しているだけになおさらだ」と付け加えた。

原題:Chinese Professor Defies Odds on Way to $3.4 Billion Fortune (2)(抜粋)

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