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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Cojp

ダイビルTOBが日本の親子上場問題の試金石に-米大手運用会社

  • TOB賛同経緯の情報開示要求、市場との対話必要-ニューバーガー
  • 親子上場解消に動く企業は増加、投資家の反対押し切るTOB事例も

商船三井による子会社ダイビルへの株式公開買い付け(TOB)は今後の日本の親子上場解消の在り方を占う試金石となるかもしれない。

  そんな見方を示すのはダイビルの長期投資家で米運用大手ニューバーガー・バーマンだ。同社は今月、ダイビルがTOB価格を適正な価格と判断した経緯などが不透明だとして情報開示を求める声明を発表。

  このTOBを巡っては、物言う株主(アクティビスト)の英アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)もダイビルが保有する不動産の価値を踏まえると「不当に低廉な価格」とし、価格引き上げを求めている。

  ニューバーガーの日本株式運用部インベストメント・スチュワードシップ・ディレクター、岡村慧氏は保有不動産の含み益はダイビルの「フェアバリュー(適正価格)を算出する上で重要」とし、AVIの見解は「方向性としては間違っていない」と述べた。ニューバーガーの試算するダイビルの適正価格については、ダイビルの情報開示がされた後に公表したいとの考えを示した。

  岡村氏は28日のインタビューで、今回のような問題の解決には「市場との建設的な対話がベスト」との考えを示した。その上で、今後の展開次第によっては「他の日本企業にとってもモデルケースになる」と語った。

  親子上場は親会社と子会社の少数株主の間に利益相反のリスクがあることから、欧米と比較して高い水準にある日本の親子上場については海外投資家を中心に厳しい視線が向けられている。

  コーポレートガバナンス(企業統治)強化の流れや来年の東京証券取引所の市場再編を控えて親子上場解消に向けた企業の動きが相次ぐ中、一部投資家の反対を押し切る形で行われる事例もあり、少数株主の利益保護の在り方が問われている。  

  伊藤忠商事が2020年7月に発表したファミリーマートへのTOBには、米アクティビストファンドのRMBキャピタルによるTOB価格引き上げ提案や香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントの特別配当の要請があった。いずれの要求にも応じないまま伊藤忠によるファミマのTOBは成立した。

  また、ENEOSホールディングス(HD)と米ゴールドマン・サックス・グループによる道路舗装大手NIPPOの非公開化に向けたTOBでも、オアシスや英資産運用会社シルチェスター・インターナショナル・インベスターズなどの投資家から批判の声が上がったが、同社は当初計画を堅持。エネオスは25日、同TOBが成立したと発表した。

  岡村氏はダイビルが価格判断の経緯について開示する可能性について、「TOB終了期間まで少し時間があるので、楽観的な見通しというか、できるだけ希望は持っておきたい」と語った。

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