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滴滴で学んだ中国、国外IPOを包括規制へ-外国証券会社にも影響か

  • VIE構造企業の海外IPO禁止には至らなかった
  • 中国企業を引き受ける外国証券会社、証監会への登録義務化

中国が国内企業の海外上場を規制する包括的なルールを公表した。滴滴グローバルによる米国での新規株式公開(IPO)をきっかけに国外上場について検証を強化してきたが、さらに大きな一歩を踏み出した。

  証券監督管理委員会(証監会)と商務省、国家発展改革委員会(発改委)が相次ぎ規制を発表したことで、過去20年にわたり事実上ノーチェックで実施されてきた中国企業による国外IPOの見通しは一段と不透明になった。

  27日の米株式市場では薄商いの中でS&P500種株価指数が再び最高値を更新したが、ナスダックのゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は1.1%下落。28日の香港市場ではハンセンテック指数が一時1.6%安となった。

  発改委と商務省は27日の声明で、外国からの投資受け入れを禁じられている業界の中国企業は株式発行を進める前に、規制対象を列挙したネガティブリストからの免除を求める必要があると説明。こうした企業における外国人投資家は経営参加が禁じられ、出資比率は外資全体で30%、個別の投資家では10%が上限となる。

中国、国外上場規制を強化へ-外資制限企業に当局の承認義務付け 

China Blocks Didi From App Stores Days After Mega U.S. IPO
滴滴の配車アプリ
 

  証監会は24日、国外でIPOと追加の株式発行・売り出しを目指す全ての中国企業は証監会に登録を義務付けるよう提案。国外上場が国家安全保障への脅威となる企業は手続きが進められなくなるとしている。

中国、国内企業の海外IPO精査を強化-安全保障に懸念なら禁止も

  配車アプリの滴滴は今年6月、データセキュリティーを巡る中国当局の懸念にもかかわらず、ニューヨーク証券取引所でIPOを強行。中国政府が今回打ち出した一連の規制は、滴滴を教訓とした海外IPO規定の抜本的見直しとなる。

  当局は「変動持ち分事業体(VIE)」と呼ばれる仕組みを活用した企業による海外IPOの禁止には至らなかったが、新たなルールによって上場プロセスは一段と難しくなりコスト負担が増すことになる。 

  中国の人工知能(AI)やブロックチェーン、サイバースペースに関する著書もあるウィンストン・マー米ニューヨーク大学ロースクール非常勤教授は、VIEを介して国外上場を目指す中国企業にとって、証監会が提案した登録プロセスの下で認可を得る前に、サイバーセキュリティー審査に加え、商務省および発改委と共にコンプライアンス(法令順守)手続きを完了させる必要がある可能性を意味していると指摘。

  「外国投資関連法の執行機関であり、10年前に出された現行のVIE規則を統括する主要官庁として、商務省がオフショアIPOを目指す中国VIEの重要な規制当局に浮上する可能性がある」と述べた。

  証監会はVIE構造を用いる企業はコンプライアンス要件を満たした後、国外でのIPOを目指すことができると24日に説明。詳細は明らかにしていない。国外で株式の発行・売り出しを行う中国企業を引き受ける外国の証券会社は証監会に登録し、そうした企業に関する年次報告の提出が義務付けられるという。

  マー教授は「外国の引受会社にも新たなコンプライアンスを巡る課題が生じる可能性がある。証監会に登録すれば中国の規則に従う必要があるかもしれない」とも話した。

原題:China Unveils Sweeping Rules for Foreign IPOs in Didi’s Wake (1) (抜粋)

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