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シンガポールの家賃が6年ぶり高水準、外国人駐在員の住宅問題深刻化

  • 空室率がさらに低下すれば家賃の急上昇の引き金を引く恐れ-中銀
  • 今年だけでも既に10ー15%以上値上がりした物件も-チョン氏

シンガポールの居住者は住宅価格の高騰を嘆いているが、ここにきて他にも心配が増えた。それは家賃の上昇だ。

  家賃は6年ぶりの高水準に跳ね上がっており、需要が供給を上回る中で一段の値上がりをアナリストらは予想する。インフレ圧力が高まる状況で、金融センター、シンガポールの居住者、特に駐在員の生活コストはさらに高まりつつある。

  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は家賃上昇の一因と言えるだろう。移民労働者不足が住宅建設の遅れを招いており、完成待ちの人々は賃貸を余儀なくされている。若年層のシンガポール人は実家を離れリモート勤務用に広めのスペースを探している。さらに、海外勤務から帰国した住宅所有者が自宅に戻っており、賃貸物件が減り賃借人が市場に押し出されている。

  不動産仲介のサヴィルズ(シンガポール)の調査担当エグゼクティブディレクター、アラン・チョン氏は「パンデミックの初期にはデフレが始まる可能性が高いと予想されていた」と述べ、「だがその逆を予想していた人はいただろうか。今や町の話題は地域特有のインフレだ」と指摘した。

High Rents

Singapore private home rental price index rose to its highest in six years

Source: Urban Redevelopment Authority, OrangeTee & Tie

  チョン氏によると、月額家賃が2500シンガポールドル(約21万円)から4000シンガポールドルの集合住宅物件は旺盛な賃貸需要で最も上振れ圧力がかかる可能性がある。今年だけでも既に10ー15%以上の値上がりが見られた物件もあるという。

  中央銀行も注意喚起している。シンガポール通貨庁(MAS)は今月公表した金融安定性に関する報告書で、家賃は空室率低下で2021年1ー9月期に7.1%上昇したと指摘。供給は依然としてある程度十分な水準にあるものの、「さらに空室率が低下すれば家賃の急上昇の引き金を引く恐れがある」と警告した。

  都市再開発庁の数値によると、賃貸価格の指数は21年7-9月(第3四半期)に111.3に跳ね上がり、15年1-3月(第1四半期)以来最高を記録した。

  シンガポールの不動産会社オレンジティー・アンド・タイの調査分析担当シニアバイスプレジデント、クリスティン・サン氏によれば、シンガポール駐在の外国人は民間アパートを好む人が多いだけに、家賃上昇の打撃を最も受けている。公営物件も借りられるが、大方の駐在員はプールやテニスコートといった設備や、市中心部の職場への近さなどから民間物件をまだ選んでいるという。

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原題:

Highest Singapore Rents in Six Years Fuel Expat Housing Woes (1)(抜粋)

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