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インフレも敵でない、米S&P500種の強気派-利益好調の予想揺るがず

  • 連邦準備制度のタカ派転換やオミクロン株流行でも見通し改善
  • 価格決定力を持つ大手企業にはインフレさえ総じて追い風に

米連邦準備制度のタカ派姿勢への転換や、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の急速な感染拡大の中にあって、米株価がいかに上昇し続けることができるのかと思案しているのであれば、その答えは米企業の健全性を巡る主要な指標が不思議なほどの耐性を保っている点に帰着するだろう。

  ニュースの見出しは心配の種ばかりだが、S&P500種株価指数構成銘柄の企業利益見通しに顕著な打撃は生じていない。コロナ感染件数が急増し、世界経済の回復がますます憂慮すべき脅威に直面する状況でも、構成銘柄の2022年の1株利益見通しは減るどころか先月には220.40ドルと約1ドル増えた。  

  もちろんこれはコロナ禍の下で株高が続く状況で、単にアナリストによる収益見通しの引き下げが遅れているだけかもしれない。実際、資産運用会社の間では景気悪化を予想して現金保有を増やしたり、株式へのエクスポージャーを減らしたりする動きが一部に見られる。

  しかし、強気派の行動はあたかも安定的な収益見通しは信じられるもので、変わる可能性は低いという想定に基づいているかのように見受けられる。一連のコロナ感染拡大の波やサプライチェーンの制約など幾多の逆風を受けつつも、強気派の主張を支えたのは1株利益の記録的な数値だ。

Profit estimates for S&P 500 firms keep rising
 
 

  ロイトホルト・グループの主任投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「不安が絶えない市場を下支えしたのは健全な経済成長と1株利益の伸びだ」とした上で、22年の1株利益を240ドルと予想。「コロナやインフレ、連邦準備制度、中国、ロビンフッド、特別買収目的会社(SPAC)、バリュエーションなど心配は尽きないが、1株利益は毎四半期とも予測を上回り、コンセンサス見通しも上方修正されてきた。その結果、有意な調整局面ではいつも『押し目買い』が入った」と指摘した。  

  12月には連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がインフレ抑制に向けて資産購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)加速と22年の複数回の利上げ見通しを示唆し、投資家は度胸を試されることになった。金利上昇と成長鈍化の観測を受けて高リスク資産から急激に資金が引き揚げられ、赤字のテクノロジー企業やまだ赤字企業が多い新規上場銘柄を中心に売りを浴びた。

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   だが、定評のある大手企業で構成されるS&P500種は比較的堅調を維持し、最終利益の力強さのおかげで過去最高値の4%以内で推移。年初来で約27%の上昇率は説明し難いとの受け止め方が多い一方で、上昇ペースは今年の予想利益の増加におおむね沿う形となっている。ファンダメンタルズの改善が株高の要因だと言うこともできる。

S&P 500 has tracked earnings estimates pretty closely all year
 
 

  債券市場の最大の敵であるインフレでさえも、大手企業には総じて追い風となっている。こうした企業の場合、コスト上昇分をエンドユーザーに転嫁することが可能で、利益率は過去最高水準に達しており、アナリストによれば今後2年間も拡大が見込まれる。  

  価格設定の圧力が高まる中で全ての企業が収益性を守れるわけではないが、それができる企業が勝ち組となっている。ゴールドマン・サックス・グループの安定・高利益率銘柄バスケットは10-12月(第4四半期)に入り、価格決定力を比較的欠く銘柄を7ポイント上回るパフォーマンスと、コロナのパンデミック(世界的大流行)下で経験した20年3月の底以降で、その差は最も大きい。

  JOハンブロ・キャピタル・マネジメントのシニアポートフォリオマネジャー、ジョルジオ・カプト氏は「われわれが見つけたいのは価格決定力を持つ企業だ。インフレ環境でコスト上昇を転嫁できる一方、物価が鈍化しても必ずしも価格を元に戻す必要がないため、恩恵を受け続けることになる」と分析した。 

Firms with stable profit margins are outperforming in the fourth quarter
 
 

原題:

Big S&P 500 Bull Case Lives On in Unwavering Profit Forecasts(抜粋)

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