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物価に上昇圧力、次回展望リポートでリスク評価点検を-日銀意見

更新日時
  • 価格設定行動も変化、現在は「下振れリスクの方が大きい」と判断
  • 資金繰り支援策の手じまい、金融緩和縮小を意味するものではない

日本銀行が27日公表した16、17日の金融政策決定会合の「主な意見」によると、物価上昇圧力の高まりを意識した意見が複数見られ、ある出席者は来年1月の次回の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で「物価は下振れリスクが大きいとの従来のリスク評価の妥当性を点検する必要がある」との考えを示した。

  物価情勢についてある出席者は、原材料価格の上昇などを背景に企業物価指数が約40年ぶりの高い伸び率となる中で、「消費者物価についても、基調的な上昇圧力が徐々に高まってきている」と指摘した。12月の企業短期経済観測調査(短観)で企業の物価見通しが上方修正されるなど、企業の「価格設定行動に変化の兆しがうかがわれる」との意見もあった。

Bank of Japan Headquarters Ahead of It's Business Confidence Tankan Report
日本銀行本店
Source: Bloomberg

  日銀は従来の展望リポートで消費者物価(除く生鮮食品)見通しの下方修正を繰り返し、先行きリスクも「下振れリスクの方が大きい」との判断を続けてきた。黒田東彦総裁は12月会合後の記者会見で、物価見通しや予想物価上昇率が上昇してきているとし、物価のリスクバランスについて政策委員会で「十分議論していく」と語った。

  足元の消費者物価(除く生鮮食品)は11月が前年比0.5%と目標の2%には距離がある。会合では来年3月末に期限を迎える新型コロナウイルス感染症対応の資金繰り支援策のうち、中小企業向け資金供給策の一部を半年間延長する一方、コマーシャルペーパー(CP)と社債買い入れの増額措置は期限通り終了することを決めた。

  ある出席者は、資金繰り支援策を手じまいしても「金融緩和の縮小を意味するものでは全くない」と主張した。中長期の予想物価上昇率が2%にアンカーされていない中での金融緩和政策の修正は「コロナ禍からの回復に水を差し、景気後退と物価下落をもたらしかねず、時期尚早である」との発言も出た。

他の「主な意見」

  • CP・社債の発行環境は良好、企業の資金繰りは中小企業を中心になお厳しさ
  • コロナ特別プログラムの一部、所期の役割をおおよそ終えている
  • 今回会合での資金繰り支援の延長、中小企業や金融機関に安心感を与えられる
  • 資金繰り支援策の縮小、オーバーシュート型コミットメントと矛盾しない
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