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米株価の師走の大変動、ヘッジファンドが売りの主役-リスク削減

更新日時
  • 高値のソフトウエア銘柄への賭けが裏目、高モメンタム取引圧縮
  • S&P500上昇率が来年10%を下回るとの予想が過半数-信頼感不足

過去数週間にわたり大幅変動が続いていた米株式市場にもようやく落ち着きが戻りつつある。プロの投機家による目まぐるしいリスク削減の動きを経て、じっとこらえてきた強気派は確固たる足場を得て年末を迎えようとしている。

  12月の大量の売りの主役はヘッジファンドだ。高値のソフトウエア銘柄への賭けが裏目に出たことで、今月に入り高モメンタム取引の圧縮に躍起となった。こうした背景もあって、大手ハイテク株は年末として過去10年で最も大きな部類の相場変動に見舞われ、ナスダック100指数の終値ベースの変化率にも反映されている。

  23日の米株式市場ではS&P500種株価指数が3日続伸し、過去最高値で取引を終了。年初来で約26%の上昇となっているが、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染動向や各国・地域の中央銀行がどのようなインフレ対策を講じるかを巡り不確実性が残る。

  これに先立つ局面では、現金保有が積み上げられるとともに、手っ取り早く利益を得ようと強気のオプションに殺到していた頑強なリテール(小口)投資家の間でも下振れへの懸念が広がっていた。

  キャンター・フィッツジェラルドの株式デリバティブ(金融派生商品)・クロス資産プロダクト担当責任者、エリック・ジョンストン氏は「かなりのリスク削減が進み、投資家はオミクロン株後を見据えつつあり、モメンタムの変化に伴って売却側の供給は今や底を突いた」としながらも、上昇局面は短期にとどまりがちだと指摘する。

  ジョンストン氏は「われわれが目にしてきたような強気相場は終わったと考えられる。システムから流動性が引き揚げられ、米金融政策が全般的に引き締め方向にあることがリスクテークには逆風となるだろう」との見方を示した。

Expensive software, IPOs and small-caps suffer deep losses
 
 

  今週の米株価反発にもかかわらず、リスクテークの意欲はこのところ何度もくじかれている。過去最高値を更新したS&P500種とは裏腹に、水面下では猛烈な痛みが広がる。小型株で構成するラッセル2000種株価指数は過去数週間に10%下落の調整局面入りし、新規上場銘柄群は20%下落の弱気相場に沈んで、赤字のテクノロジー企業群は30%近くの下げとなった。

  モルガン・スタンレーのプライムブローカー集計データによれば、こうした急落で特に痛手を被ったヘッジファンドは、高値のテクノロジー銘柄と赤字テクノロジー企業株式へのエクスポージャーを過去数週間にネットベースで約4ポイント減の14%前後と、2020年半ば以来の低水準に削減した。

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出典:モルガン・スタンレー
Source: Bloomberg

  リスクオフのセンチメントはバンク・オブ・アメリカ(BofA)の最新調査でも裏付けられる。世界の資産運用会社は今月、現金保有を20年5月以来の高水準に積み上げた半面、株式へのエクスポージャーは1年1カ月ぶりの低水準に圧縮した。

  株価パフォーマンスをよく見ると、安全性選好が鮮明となる。公益事業やヘルスケア、生活必需品といった安定した収益と配当のセクターがいずれも12月は7%前後の上昇と、他の分野をリードしている。

  データトレック・リサーチの共同創業者ニコラス・コラス氏は現状について、「投資家の信頼感が幾分不足気味だ」と話す。

  同社が実施した22年の市場見通しに関する最新調査では、S&P500種の上昇率は10%を下回るとの予想が過半数を占めており、コラス氏は「翌年の上げ幅が限られると投資家が考えるのであれば、良くも悪くもない年に入る前に売ってしまうのは堅実な戦略であり、12月の困難な状況は驚くに値しない」と語った。 

原題:Hedge Funds Kick Risk Addiction at End of Crazy Year for Stocks(抜粋)

(具体的な相場動向など詳細を加えて更新します)
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