コンテンツにスキップする

米10年債利回りに2%の天井も-世界的な過剰貯蓄が上昇抑制の可能性

  • 利上げがあっても実質利回りは引き続きマイナス圏にとどまる見通し
  • 日欧の潤沢な貯蓄資金のプールが引き続き債券需要を下支え-CBA

2022年の債券利回り急上昇に備えている人がいるとすれば、再考した方が得策かもしれない。米国をはじめとする各国・地域の金融当局が新型コロナウイルス禍対応の刺激策を縮小・解除したり利上げを開始したりする状況にあっても、世界的な過剰貯蓄が金利上昇を抑制する可能性があるためだ。

  米10年債利回りについて、今後1年間は2%が天井になるかもしれないとの広範なコンセンサスを支えるのは、実質利回りが深くマイナス圏にあっても債券に強い需要がある実態だろう。

Democrats Negotiate Plans Carrying White House Economic Agenda
ワシントンのFRB本部
Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg

  米国のインフレ高進や連邦準備制度がその対策を講じるとの観測を背景に、来年の金利上昇が見込まれる中で、ヘッジファンドはネットショートポジションを11月カぶりの高水準に積み上げているが、ストラテジストは金利上昇が緩やかなものにとどまり、インフレ調整ベースでは結局、マイナス圏でピークアウトすると見込んでいる。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は15日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、多額の資金を抱えた米国外の投資家が、期間が長めの米国債利回り抑制の役割を果たしている点に言及した。

  米国債のイールドカーブ(利回り曲線)フラット化を目にしても、積極的な利上げに踏み切れば経済成長を台無しにしかねないとのシグナルではないかと金融当局者が心配することなく、おおむね落ち着いた様子であるのには、利回りをつなぎ止めるこうした力学が働くとの見通しも一役買っている。

Government debt mountain has come as yields slide down
 
 

  オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)の債券・外国為替戦略責任者、マーティン・ウェットン氏は「欧州や日本、北アジアの潤沢な貯蓄資金のプールが引き続き債券需要を下支えすることで、マイナス・超低利回りが持続するだろう」と指摘。「為替ヘッジの有無に関わらずこうした投資家は常にプラスの利回りに引き付けられ、米10年債には2%前後の利回り水準で需要があると見込まれる」と語った。  

  ブルームバーグが調査したストラテジストの加重平均予想では、米10年債利回りは22年末までに60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)強上昇して2%をわずかに上回る見通し。ドイツ10年債利回りは約50bp上昇の0.08%、日本国債10年物利回りは10bp未満の上昇で0.13%に達すると予想されている。来年の日独のインフレ率は米国の伸びを大きく下回る見通しだ。

Benchmark yields seen rising slowly despite Fed moves to end QE
 
 

原題:

A Global Savings Glut Is Set to Anchor Treasury Yields Below 2%(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE