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中国が台湾企業を締め付け、対中投資は先細りか-政治要因が影落とす

  • 台湾の遠東集団、11月に中国当局から罰金処分-民進党に大口献金
  • 台湾回帰を検討する企業は増加、日米などに投資も
General Economy Images Ahead Of GDP Figures
Photographer: Jerome Favre/

中国が国外の資本を受け入れ始めた数十年前、台湾企業は対中進出をリードしていたが、労務コストの上昇や現地での競争激化でここ数年は縮小気味だった。先月には中国当局が台湾与党との政治的なつながりを理由に台湾企業に罰金を科す事態も起きており、対中投資の慎重姿勢に拍車が掛かる恐れもある。

  台湾の遠東集団は先月、環境や土地使用、衛生、安全性を巡る違反があったとして中国で1400万ドル(約16億円)相当の罰金処分を受けた。だが、それは表向きの理由で、中国当局者や政府系メディアは遠東集団が台湾与党・民主進歩党の大口献金企業の一角であり、今回の罰金はそれが原因であることを明らかにしている。

  台北を拠点とする中華経済研究院の楊書菲エコノミストは、「遠東集団を巡る今回の出来事を見ると、中国政府によるいじめを受けるリスクが今後高まるとの懸念が各社に広がり始める」との見方を示す。

Taiwan firms are investing less in China but expanding elsewhere

Source: Taiwan's Ministry of Economic Affairs

Note: Data for 2021 is through Dec. 20.

  中国で事業を展開する台湾企業はかねて、同国での事業環境が以前とは違うと不満を漏らしていた。かつては中国政府支援の土地取引や税制面での優遇、豊富で安価な労働力という恩恵を受けた台湾企業も、競争激化や労働コストの上昇に見舞われている。

  台湾経済部は20日の声明で、「中国での事業環境の変化や米国との対立、進行中のテクノロジー戦争で台湾企業は中国大陸への投資に慎重になっている」と指摘。台湾紙の経済日報によると、王美花・経済部長は先月下旬、遠東集団の事案によって台湾回帰を検討する企業が相次いでいると述べた。

  台湾域外に投資する動きも出ている。台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとする企業による日米などへの承認済み投資は今年これまでに123億ドルに上り、6年連続で対中投資を上回っている。

Flat Investment

Big Taiwanese firms' investment stock in China has been flat

Source: Data compiled by Bloomberg

  こうした投資シフトは全取引のデカップリング(切り離し)が差し迫っていることを示唆するわけではない。「iPhone(アイフォーン)」の生産を手掛ける鴻海精密工業などは中国大陸に多額の投資をしており、いかなる変化も緩やかなペースで進むことになりそうだ。

  中華経済研究院の楊氏は、台湾企業がすぐに中国から撤退することはないものの、目立たないように努め、ビジネス上の判断を下す際には経済以外の要因もますます考慮することになるだろうと指摘。「台湾企業はリスクヘッジの重要性を徐々に認識しており、東南アジアやインドなど他の地域に移っていく」との見通しを示した。

China Still Number One

Although the final destination of many of those goods isn't China

Source: Taiwan's Ministry of Finance

China Passing

U.S is the largest end-user of Taiwanese exports

Source: Ministry of Economic Affairs

原題:China’s Crackdown on Taiwan Inc. Risks Accelerating Decoupling(抜粋)

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