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米アーチザン・パートナーズ、東芝の3分割案を「原則的」に支持

  • 分割案は官僚主義の排除や意思決定の迅速化に貢献ーカノビッチ氏
  • PEファンドへの売却以外方策なしとの主張に反対ーカノビッチ氏

米国の投資会社、アーチザン・パートナーズは、東芝が11月に明らかにした3社への分割計画についておおむね支持するとの考えを示した。アーチザンで中小型株90億ドル(約1兆213億円)以上を運用するレゾ・カノビッチ氏が、ブルームバーグのインタビューに答えた。

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東芝本社のロゴ(4月)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  カノビッチ氏は、分割案について「原則的」に賛成すると述べた。分割することで幅広い事業が管理しやすくなり、より理解しやすくなるという。同社はウィスコンシン州ミルウォーキーに本社を置く投資会社で、ブルームバーグのデータによれば東芝株を約1%保有している。

  東芝の分割案には疑義を抱く投資家も複数いる。そのうちの一つである3Dインベストメント・パートナーズは、公開書簡で分割案への疑念を表明した。アーチザンの例は、東芝に投資する外国人株主の全てが、分割案に反対しているわけではないことを示す。

  東芝は11月、インフラサービス事業とデバイス事業の2社を分割し、キオクシアホールディングスの株式管理などを担う本体と合わせて3社体制にする再編計画を発表。来年にも臨時株主総会を開いて賛否を問うこととしている。

迅速化に貢献

  カノビッチ氏はオンラインインタビューで、「分割案は組織に集中させて、社内にはびこる官僚的なシステムを簡略化し、意思決定を早めることができるだろう」と述べた。

  東芝を巡っては、2020年7月の定時株主総会で、筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが創業者の今井陽一郎氏を取締役にするよう提案するなど、同社取締役会の改革を迫る物言う株主(アクティビスト)からの圧力が強まっていた。エフィッシモは11月に分割案を指示するか決定していないとしていた。

  カノビッチ氏は、アーチザンはアクティビストや東芝経営陣の「いずれにも味方してはいない」という。同氏は量子コンピューターや再生可能エネルギー、パワー半導体などを挙げながら、東芝は「世界で最も興味深い技術基盤」を持つ「素晴らしく魅力的な資産」だと評価した。

  さらに、「東芝の研究開発の質の高さは、世界に完全に見落とされている」と指摘した上で、株価については「異常に安い」とみる。カノビッチ氏は、東芝の事業再編はプライベート・エクイティ(PE)ファンドに頼るしかないとの見方ついては反対だという。

  東芝は2017年、メモリー事業の株式の過半数を総額約2兆円で米ベインキャピタル率いる企業連合に売却。今回も分割案を決める前に、PEファンドらと選択肢について協議していた。

過去のピークに比べると低い水準にとどまる
 
 

  カノビッチ氏は、「PEファンドが安く買った株を3倍にしてから再びマーケットで売るというのは間違った考えだ」と話す。その上で、「株主全員が同社の事業の並々ならぬ将来性という利益を享受すべきだ」と続けた。

  さらに、カノビッチ氏は、PEファンドへの早期売却を求めている一部のアクティビストであれば、売却され非上場化された後でも東芝に投資することが可能であるため公平ではないと訴えた。

  カノビッチ氏は、アーチザンが東芝分割案を「原則的に」支持するとしている理由を二つ挙げた。一つは、各事業の最高経営責任者(CEO)やグループの会長が決まっていないことで、もう一つは、原子力や半導体メモリーなどの戦略的に重要な事業があり、日本の規制当局が分割案をどう見ているのかはっきりしないことという。

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