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証券ITのスタートアップ、融資に参入へ-フィナテキストきょう上場

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金融サービスを開発するスタートアップ(新興企業)のFinatextホールディングス(フィナテキスト)は22日、東証マザーズ市場に新規上場する。新規上場をきっかけに大手企業との協業拡大を目指していく方針だ。

  東京大学出身者を中心に2013年に設立したフィナテキストはインターネットを介して利用するクラウド型の証券や保険業務の基幹システムを金融機関だけでなく事業会社にも提供している。

  林良太社長は国内での事業展開に注力して売上高を100億円に引き上げた後は、米、英、中国などの海外展開を視野に入れて1000億円を目指す考えだ。ブルームバーグとのインタビューで「国内で1.5%のマーケットシェアを取れば、(1000億円は)べらぼうな数字ではない」と話した。

Finatext Holdings CEO Ryota Hayashi  Interview
林良太社長(都内・9日)
Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

  大手企業との協業経験が豊富なことに加えて、システム需要の拡大を追い風に成長計画を描く。ガートナージャパンによると、21年の日本のIT支出見通しは、銀行・証券が5兆円超、保険が1兆5000億円超で、合計6兆5000億円を超える見通し。

  フィナテキストの22年3月期の売上高計画は26億5000万円。今後3年間で売上高を今期の約4倍にあたる100億円を目指す最初のハードルも低くない。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「大手金融機関が基幹システムを任せるのは正直まだ厳しい」と指摘した。

  ただ16カ月決算だった前期を20年4月ー21年3月期で比較すると、今期計画は実質で前期に比べ47%増える計算になるという。純損益は10億円の最終赤字を予想するが、林社長は「黒字化の時期は言えないが、黒字化するならただ投資を止めればいい」と語る。

  18年からは手数料無料の株式取引サービスを始め、19年からはカード払いやポイントを利用した投資信託や個別株への積み立て投資サービスをクレディセゾンと協業している。20年7月には保険分野にも展開。今後は融資や送金決済などを検討する。クレジットカードや消費者金融、リース、信販会社などとパートナーを組む考えだ。

  公開価格の1290円で試算すると、時価総額は約630億円。12月新規上場銘柄の中でも大きな企業規模は強みとなるが、収益を一段と成長させるには大口案件を引き寄せる金融サービスに磨きをかける必要がある。

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