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オリックスがKKRに会計ソフトの弥生を売却-特別利益1632億円

更新日時
  • 売却額は約2500億円、純利益予想を前期比6割増の3100億円に修正
  • 登録ユーザーは2倍の250万人超に、KKR傘下でさらなる成長へ

オリックスは17日、子会社で会計ソフトを手掛ける弥生(東京・千代田)を米投資ファンドのKKRに売却すると発表した。これに伴い2022年1-3月期決算に特別利益として1632億円の売却益を計上する。今期(22年3月期)の業績予想を上方修正した。

  弥生のKKRへの売却意向はすでに明らかになっていた。簿価と特別利益から試算すると売却価格は2500億円程度。オリックスは10月までに弥生の入札手続きを開始。KKRのほか、米ベイン・キャピタル、米ブラックストーンの3社が2次入札に進んでいた。

Financial Institutions in Japan As Libor Expiry Looms
オリックスのロゴ
Source: Bloomberg

  発表によると、株式譲渡は22年3月1日に完了する見込み。売却益計上に伴い、オリックスは今期の純利益予想を前回予想(2500億円)比24%増の3100億円に上方修正した。前期(21年3月期)の1924億円から61%増え、コロナ禍前の水準に復帰する。

  オリックスは14年に弥生を買収。当時の買収価格は800億円超だった。オリックスの発表資料によると、弥生の登録ユーザーは買収当時の2倍の250万人超に増えたが、クラウドソフトウエアの普及など事業環境が変化する中、業務用ソフトでグローバルな知見を持つKKRを新たなスポンサーに迎えれば、より力強い成長が可能と判断した。

  KKRジャパンの平野博文社長は発表資料で「KKRはテクノロジー・ソフトウエア業界を成長著しい重要投資分野とみている」とコメント。世界的にソフトウエアやクラウドソフトを提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)分野などへの投資で培った経験と知見を弥生の成長支援に生かしていくとしている。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一シニアアナリストは、オリックスの弥生売却について「一般的に一時的な売却損益は中長期的な収益貢献ではない分、それほど株価に反応しないことが多い」と指摘。一方で「投資の出し入れが毎期ありながらも当期利益のぶれが少なく、堅実な投資戦略を持っている印象だ」とし、「投資が上手いという評価をさらに高めた」と述べた。  

  オリックスの17日の株価は前日比0.5%安の2294.5円で取引を終了している。

(アナリストの見方を追加して更新します)
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