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今年の負け組となった中国不動産業界の大物-恒大創業者は象徴的存在

  • 許家印氏の資産、今年172億ドル減-ビリオネア指数
  • 許氏はかつて資産420億ドルとアジア2位の富豪になったこともある

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中国恒大集団の創業者、許家印氏は北京で7月に開催された中国共産党創建100周年式典に笑顔で参加した。党の重要イベントに招待されたことで、許氏はまだ政府の後ろ盾を得ていると見なされ、恒大の社債は珍しく値上がりした。

  だが、もし今も恒大が大き過ぎてつぶせないという希望を投資家が持っていたとしても、7月時点とは全く違う思いだろう。不動産開発大手の同社は債務の返済を怠り、格付け会社フィッチ・レーティングスがデフォルト(債務不履行)企業と見なした後、恒大の社債と株式は最安値付近で取引されている。

China Evergrande Group Annual Earnings News Conference
許家印氏
 

  2021年は中国不動産業界の大物たちにとって少なくとも12年以来最悪の年となった。 政府は不動産各社のレバレッジ(借り入れ)縮小に動き、共産党の習近平総書記(国家主席)が所得格差是正を狙った富の再分配政策「共同富裕」を推し進めたためだ。

香港の不動産大手、利益の一部を犠牲にする覚悟-中国の影響強まる

   ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、中国不動産業界の資産家は今年合わせて460億ドル(約5兆2300億円)余りの資産価値を失った。資産が今年172億ドル減った許氏は21年最大級の負け組だ。同指数は世界で最も裕福な500人のランキングを示すため12年に始まった。

Counting Losses

Evergrande's Hui leads wealth losses among Chinese property tycoons

Source: Bloomberg Billionaires Index as of Dec. 15

  香港中文大学のテレンス・チョン准教授(経済学)は「中国の不動産セクターは高レバレッジによる積極的な拡大を通じて過去20年間に急成長し、中国の富を増やすことに寄与した」が、「銀行からの与信枠縮小につれ不動産開発は確実に鈍化する。中国は経済の変革と質の向上を進めており、不動産事業は将来的に主流から外れていく」と述べた。中国では住宅セクターが国内総生産(GDP)の約4分の1を占めている。

  不動産業界の危機は、好景気で財を成した資産家には大きな痛手で、許氏はまた失墜した業界大物の象徴的存在にもなっている。

  かつて保有資産420億ドルとアジア2位の富豪になったこともある許氏だが、現在の資産はわずか61億ドルだ。恒大や傘下企業の株価が下落し、政府が許氏に個人資産で債務返済に寄与するよう促したためだ。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は今月9日、恒大が債務を履行できないのは市場の問題であり、市場に基づくやり方で扱われることになると述べ、中国当局が3000億ドル余りの負債を抱える恒大を救済しないことを示唆した。

原題:Evergrande Boss Leads $46 Billion Wealth Loss in Worst Year Yet (抜粋)

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