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ECB、従来の資産購入プログラム増額へ-PEPPは3月で終了

更新日時
  • PEPPは予定通り終了、必要に応じ純購入再開にも含み
  • 不確実性の高まり考慮、インフレ加速が一過性の主張は変えず

欧州中央銀行(ECB)はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下の純購入を終了した後、従来の資産購入プログラム(APP)の購入を一時的に拡大させる方針を明らかにした。経済の力強い回復とインフレ加速見通しも示した。

  発表によると、ECBは1兆8500億ユーロ(約240兆円)規模のPEPPを予定通り来年3月に終了させるが、APPの購入を4-6月(第2四半期)に月額400億ユーロに増額する。

  7-9月(第3四半期)は300億ユーロとし、10月に現在の月200億ユーロのペースに戻す。「容赦のない移行」を避けるためだとラガルド総裁は説明した。

Crisis-Stimulus Exit

ECB will boost regular bond buying to smooth end of emergency tool

Source: ECB, Bloomberg survey of economists conducted Dec. 3 to Dec. 8

  当局者らはPEPP下で購入した債券の満期償還金を再投資する際の規則の変更も決めた。昨年のような危機が再び発生した場合には、PEPPの純購入を再開できるとも表明した。

  声明は「パンデミックに関連した市場の分断化が再燃した場合は、PEPPの再投資を投資対象の国や期間、資産クラスなどの点で柔軟に調整できる」とし、また「パンデミックに関連した負の衝撃に対抗するために必要ならば、PEPPの純購入を再開できる」と続けた。

  ユーロ圏のインフレ率が単一通貨導入以降で最高となる中で、危機時の政策設定から脱する必要性を認めた形だが、同時に新型コロナ感染再拡大による不確実性の高まりも考慮した。

European Central Bank Rates News Conference
ラガルド総裁
Source: Bloomberg

  ラガルド総裁はバーチャル記者会見で「景気回復の進展で今後数四半期の資産購入は段階的なペース減速が可能になった」と説明。「インフレ率は短期的に高止まりが見込まれるが、来年中に低下するはずだ」と付け加えた。

  ECBスタッフがまとめた最新のマクロ経済予測によると、インフレ率は2022年を通じてECB目標の2%を上回り、同年の平均は3.2%となる見込み。23、24年はともに1.8%と目標を下回るとみられている。現在の高インフレの多くはエネルギー価格高騰と供給の制約によるもので、最終的には解消されるはずだと総裁は述べた。

  米金融当局とは異なり、ECBはインフレ加速が一過性のものだとの主張を曲げていない。総裁は「インフレ率を中期的に2%の目標で安定させるには金融緩和がなお必要だ」と論じ、「現在の不透明性を考慮すれば、多くの選択肢と柔軟性を維持する必要がある」と語った。

Inflation Outlook

ECB staff projections foresee annual inflation at 3.2% in 2022

Source: Eurostat, ECB

 

ECBが2022年に利上げする可能性は極めて低い-ラガルド総裁

原題:ECB Acts to Avert ‘Brutal Transition’ in Exiting Crisis Mode (1)(抜粋)

 

(最新の経済予測や総裁の発言を追加します)
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