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金融課税強化は高所得者が焦点、一般投資家に影響せず-自民・加藤氏

  • 国際金融都市構想や株式市場への影響も念頭に「来年しっかり議論」
  • 税負担の公平性の観点で「課税の在り方検討必要」と明記-税制大綱

自民党の税制調査会で小委員長を務める加藤勝信前官房長官は、金融所得課税の強化について、「年収1億円など高所得者への課税が不公平だという認識の中での議論だ」とした上で、「一般の投資家に影響を与えてはならない」との認識を示した。

  加藤氏は16日のブルームバーグとのインタビューで、一定の収入を超えると税率が下がる「1億円の壁」を問題視する一方、「それほど高くない所得にまで影響を及ぼすことを考えているわけではない」と説明した。

Former Chief Cabinet Secretary Katsunobu Kato
加藤勝信前官房長官 (16日)
Source: Bloomberg

  累進的な課税を導入するかに関しては「これからの議論だ」と述べるにとどめた。

  政府が進める国際金融都市構想や株式市場への影響も念頭に「来年の税制改正の中でもしっかり議論していかないといけない」とも語った。小委員長は、宮沢洋一会長の下で税制調査会の実務を担当する。

  10日に決定した2022年度の与党税制改正大綱では、高所得者層は金融所得の割合が高く「所得税負担率が低下する傾向が見られる」と指摘。状況を是正し、税負担の公平性を確保する観点から「課税の在り方について検討する必要がある」と盛り込んだ。

  金融所得課税の見直しは、岸田文雄首相が格差是正策として総裁選の公約に掲げた。首相就任後、株価下落や市場の批判を受けて当面の間、撤回する意向を示したものの、分配政策の選択肢の一つとして将来的な実施は否定していない。

高所得者層で所得税負担率は低下

出所:国税庁「申告所得税標本調査(税務統計から見た申告所得税の実態)」

  加藤氏は、新型コロナウイルスの感染収束後には、海外との往来を活発化させ「日本が国際金融都市として機能しうる状況をつくっていかないといけない」と強調。金融所得課税の見直し議論の中でも、「海外から日本に投資する環境を進める必要があり、その動きを止めようとは全く思っていない」と話した。

  国際金融都市の実現に向けては、21年度の税制改正で海外の事業者や人材を呼び込むための優遇措置を講じた。ファンドマネジャーが保有するファンド持ち分の値上がり益に課す所得税を、最大55%の総合課税から一律20%の金融所得課税とすることを明確化したほか、日本での居住期間にかかわらず外国人の海外財産は相続税の対象外としている。

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