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Photographer: Keith Bedford/Bloomberg
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22年は日本株優位の声、海外勢で高まる-景気循環や業績追い風

更新日時
  • UBSなどTOPIX目標を2250に設定、ジェフリーズは2300と強気
  • コロナからの正常化や景気対策効果で日本の成長率は加速との見方

2022年はグローバル株式市場の中で日本株が優位になるーー。新型コロナウイルス禍から世界が一段と正常化へ向かう中、日本の成長加速や企業業績の改善を追い風にした株高期待が海外勢から強まっている。

  スイスのUBSグループや米モルガン・スタンレー、米ゴールドマン・サックス・グループなどは22年のグローバル株市場の主要指数で、日本のパフォーマンスが米国を上回るだけでなく、好成績が見込まれる欧州に並ぶか優位になると想定。米ジェフリーズも日本に強気姿勢だ。

Japan Starts Coronavirus Booster Shots Amid Omicron Fears
新型コロナ対策でのブースター接種も国内で開始.
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  UBSは来年の世界経済成長は長期平均を上回る水準を維持すると予想し、「成長から恩恵を受ける勝ち組を買う」ことを提唱する。UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの居林通ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドは、経済対策や経済再開の進展、為替の円安も加わって日本の企業業績は来年後半には再加速し「株価は力強い回復を見せるはず」と語る。

  日本株がおおむね選好される要因は、新型コロナ禍で巨大となった財政政策や金融政策による経済支援が終息に向かうとみられる点にある。モルガン・スタンレーの戦略チームは、こうした「補助輪が外れる」ことにより、株式市場のパフォーマンスは地域によって大きく異なるだろうとみる。

  その要因ともなる世界のマクロ環境についてモルガンSは、足下は過去の「サイクル中期」と似ており、特に欧州株と日本株は拡大期がリターンの追い風となる資産として群を抜くとし、いずれも判断を「オーバーウエート」に設定。半面、バリュエーションがコロナ以前を大きく上回り、大きな実質金利上昇の可能性に直面する米国株は「アンダーウエート」とした。

世界・主要国の経済成長率見通し
               2020    21予   22予
世界     ▼3.4    5.6    4.5
米国     ▼3.4    5.6    3.7
中国      2.3    8.1    5.1
ユーロ圏     ▼6.5     5.2    4.3
日本     ▼4.6       1.8      3.4
出所:OECD、単位:%、▼は減

  経済協力開発機構(OECD)の経済予測によると、22年の世界経済は4.5%成長の見込み。米国や中国、ユーロ圏は今年に比べて伸び率が低下、日本は加速する。JPモルガン証券は、コロナ禍からの正常化や円安が従来回復の遅れていた設備投資を押し上げると予想。来年の日本経済は潜在成長率超えの成長を続ける発端になるだろうとの見解を示す。

  大和証券の集計によれば、日本の主要上場企業(金融除く)の今年度経常利益は前期比35%増と、新型コロナ前の18年度を上回り過去最高益を更新する見込み。続く来年度も7%増と2年連続で最高益となる。

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Source: Bloomberg

  海外勢のTOPIXの目標値は総じて2250と現在から10%超の上昇を見込む向きが多い。ジェフリーズは2300とさらに強気で、世界的な債券利回りの上昇、円安、生産者物価など、日本企業の収益性に影響を与える重要な項目のいくつかが見事に同調するとし、22年の利益成長はコンセンサスからの大きな上振れを見込む。

  業績拡大が有力視されながらも、日本株はバリュエーションの観点から米国や欧州に比べ出遅れ感がある。ブルームバーグが集計したTOPIXの今年末の株価収益率(PER)は14.6倍なのに対し、22年末は13.4倍へ低下する見込み。米S&P500種株価指数(それぞれ22.4倍、20.8倍)、ストックス欧州600指数(同16.3倍、15.4倍)を下回る。

  ティー・ロウ・プライス・ジャパンの中満剛株式運用戦略部長は、株価バリュエーションは金利水準を考慮した場合、今はどちらかといえば過去30年で安いほうに入るとの見立てだ。22年に予想される米金利上昇はバリュエーションのプレッシャーになるが、「1株利益が伸びる業績インパクトのほうが大きいため、株価はまだ上昇余地がある」と読む。

日本は米国より低水準
 
 

  21年のTOPIXの上昇率は10%と、米S&P500種株価指数の25%、ストックス600指数の18%などと比べて大きく見劣りした。ゴールドマンの建部和礼ストラテジストは、こうした劣後は「コロナの国内感染でリオープンが遅れたのが大きかった」と語る。しかし、緊急事態宣言後のことし第4四半期から力強い国内経済の加速が見られるのであれば、「バリュエーションの安さ、海外投資家の軽いポジションというのは日本株にプラスに働く」と結論付けた。

  ゴールドマンでは投資対象について、業種別では化学や電気機器/部品、ITサービス/ソフトウエア、自動車/部品、運輸、不動産、商社などを推奨。投資アイデアとして、デジタル/グリーン/軍需など政策関連、インフレ環境下で強い価格支配力を発揮する銘柄、選別的なグロース(成長)銘柄を挙げた。

外資系の主要指数見通し、()内は15日終値比騰落率
 企業     米S&P500    TOPIX      欧州
UBS     5000(6.2%)    2250(13%)    4750(14%) 
モルガンS   4400(▼6.6%)   2250(13%)    2080(11%)
ゴールドマン  5100(8.3%)    2250(13%)    530(13%)
注)UBSは6月に向けた目標値。欧州の指数はUBSがユーロ・ストックス50、モルガンSがMSCI欧州ローカル、ゴールドマンがストックス欧州600。▼はマイナス。各社とも予想は11月時点。

 

(最終段落に投資アイデアなどを追記します)
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