コンテンツにスキップする

香港の不動産大手、利益の一部を犠牲にする覚悟-中国の影響強まる

  • 中国の統制強化に伴い住宅の公平性・値ごろ感確保は喫緊の課題に
  • 寄付として提供された土地には公共住宅が建設されている

住宅市場が世界一割高な香港の不動産業界で、家賃を半額にしている会社もあれば、公共住宅向けに農地を提供している会社もある。今は利益より香港を住みやすくする時だと語る不動産コングロマリットの御曹司もいる。

  民主化を求める街頭デモが香港を揺るがし、中国当局が住宅価格高騰を非難してから2年を経て、業界の大物らは香港の住宅環境改善に寄与するよう圧力を受けている。アジア有数の金融ハブは世界で最も人口密度の高い地域の1つでもあり、住民750万人の大半は小さな集合住宅に住む。「鳥かご」や「棺桶」とやゆされる住まいもある。

Life Inside A Hong Kong Coffin Home
「棺桶」とやゆされるような狭い住宅
写真家:Paul Yeung / Bloomberg

 

  中国の香港統制が強まっており、こうしたいびつな住宅市場から長い間利益を得てきた不動産開発各社にとって、住宅の公平性・値ごろ感確保は今や喫緊の課題だ。中国本土では習近平政権が住宅投機や独占的なビジネス慣行に対する取り締まりを進め、多数の資産家が当局に従った。

  林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官率いる香港政府は地元の有力者に保有地を提供するよう促し、こうした取り組みを加速させることで、大物実業家の政治力を弱めている。発しているのは、問題の一部と見なされるより、解決策の一端を担うと見られた方が良いはずだとの明確なメッセージだ。

Hong Kong Executive Council Convener Bernard Chan Interview
陳智思氏
 

  香港の不動産コングロマリットは若い世代のリーダーシップの下で、慈善活動に熱心との評判を得ようと取り組んでいる。街頭デモ後、寄付として提供された土地には1万戸近い公共住宅が建設された。事業資産を引き継ぐ何人かの若手経営者はブルームバーグに対し、慈善活動を続ける意向だと述べた。そのうちの1人は利益の一部を犠牲にする心構えはできていると明言した。

  行政長官の諮問機関、行政会議の招集人を務める陳智思(バーナード・チャン)氏は「彼らは資本家であり、勝者総取りというのが今でも香港の精神だ。だが経営陣として台頭しつつある若い世代は、人々のニーズを簡単に無視することはできないことを完全に理解していると思う」と話している。

Two of Hong Kong's Big Four developers have seen shares rise in 2021
 
 

原題:Hong Kong’s Property Tycoons Sacrifice Profit to Appease Beijing (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE