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米利回りの「謎」解く鍵はNY午後3時の年金需要-FOMC後に注目

  • 米30年国債利回りと株価、取引終了時に共に下がっている
  • 年金需要は利回り曲線の「ロングエンドに対する構造的なビッド」

米10年国債先物の取引量はニューヨーク時間午後3時ごろに急増し、その日の最高水準に達することが多い。その後、急減する。

  このパターンは月末には一般的だが、ここ1カ月はほぼ毎営業日起きている。米国債先物の決済に対応する時間帯であることから、資産運用各社によるポートフォリオのリバランスが示唆されている。

Notable increase in futures volumes seen around 3pm New York each day this month
 
 

  1980年代以来となる高いインフレ率にもかかわらず、投資家の長期債需要は強く、このパターンに注目が集まっている。年金基金は米国の株高で利益を確保し、年金債務に対する年金資産の比率が2008年以来初めてほぼ100%に達しているため、株式投資で得た利益で国債を買い入れているという説が有力だ。

  10日に発表されたモルガン・スタンレーの調査によると、米30年国債利回りと株価はここ1年間、取引が終了するニューヨーク時間午後3時半から午後4時の間に共に「かなり大幅」に下がっている。マシュー・ホーンバック氏らストラテジストは、年金基金がバランス調整を行っていると考えられ、これが利回り曲線の平たん化を招いていると結論付けている。

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出典: モルガン・スタンレー
 

  取引終了間際のこうした動きは「ここ1年で年金債務・資産比率が改善し始めたため、年金基金が株式を売却して長期債を購入し、リバランスを進めているというわれわれの見方を裏付けているようだ」と指摘。「確定給付型年金基金からの需要は、長期国債の利回りに大きな影響を及ぼしており、イールドカーブにフラット化圧力をかけている」と分析した。

  インフレ率が急上昇する中で、低い長期債利回りが続いていることは不可解だ。10年債利回りは14日時点で約1.44%と、11月の消費者物価指数(CPI)上昇率6.8%(前年同月比)を大きく下回っている。30年債利回りは今月に入り1.7%を割り込み、11カ月ぶりの低水準となった後、1.82%に回復した。

  ミリマンによれば、米国株の最高値更新で年金基金の債務・資産比率は今年99%に上昇し、ここ10年余りの最高に近い。

  TDセキュリティーズのグローバル金利戦略責任者プリヤ・ミスラ氏は年金需要について、利回り曲線の「ロングエンドに対する構造的なビッド」とインタビューで述べた。同氏は先週のリポートで、長期債利回り低下の理由を銀行と年金基金、中国勢による購入だと分析した。

  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策を引き締めたとしても、年金需要は長期債利回りへの下押し圧力となる可能性がある。想起されるのは2004年に当時のグリーンスパンFRB議長が「謎」と呼んだ状況だ。14日から2日間の日程で始まったFOMCは来年の利上げに向け道を開くため、資産購入の縮小を加速させると見込まれている。

原題:At 3 p.m., Trading in U.S. Bond Futures Jumps Like Clockwork (1) (抜粋)

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