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Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
Cojp

日銀会合注目点:資金繰り支援策延長、オミクロン株、世界の物価上昇

  • CP・社債買い入れは縮小へ、判断は1月会合に先送りの可能性も
  • 原材料価格の上昇や政府の経済対策など受けた経済・物価動向も焦点

日本銀行が16、17日に開く金融政策決定会合では、来年3月末が期限となる新型コロナウイルス感染症に対応した資金繰り支援策の延長の有無が注目される。オミクロン株の内外経済への影響をはじめ、世界的な原材料価格の上昇や政府の経済対策などを踏まえた日本の経済・物価動向にも関心が集まる。

  ブルームバーグがエコノミスト46人に3-8日に実施した調査では、資金繰り支援策について、規模や内容を縮小した上で延長されるとの見方が6割を占めた。長短金利付き量的質的金融緩和政策については、維持されるとの見方がほとんどだ。

1月会合に先送りが優勢

コロナ特別プログラム延長の有無に注目

出所:ブルームバーグ・サーベイ

  複数の関係者によると、大企業中心に資金繰り改善が続いていることを踏まえ、日銀は資金繰り支援策のうち、コマーシャル・ペーパー(CP)と社債買い入れの拡充措置を縮小する可能性が高い。一方、融資を行った金融機関に低利でバックファイナンスするコロナ対応オペの終了には、中小企業の資金繰りの厳しさから慎重だ。オミクロン株の影響を見極めるため、来年1月の会合で判断する可能性もあるという。

  UBS証券の足立正道チーフエコノミストは、コロナ対応オペは少なくとも半年は延長されるだろうとし、「政府の経済対策が決まったばかりであり、日銀も平仄(ひょうそく)を合わせる」とみている。

  日本経済は新型コロナ感染者数の減少と行動制限の緩和に伴って個人消費に持ち直しの動きがみられている。日銀が13日に発表した企業短期経済観測調査(短観)の12月調査では、消費回復を背景に非製造業の景況感改善が目立った。

  原材料価格の高騰による収益圧迫が懸念される中、価格転嫁の動きも出始めており、企業のインフレ期待も上昇している。JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは「エネルギー価格や国際商品市況の上昇がどの程度インフレ率を押し上げるか、さらには企業収益をどの程度圧迫するかが焦点になる」との見方を示している。

  米連邦準備制度理事会(FRB)は15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国債などの資産購入プログラムの縮小ペースを従来の2倍に加速することを決め、2022年中に3回の利上げを示唆した。根強い高インフレへの対応を強化したもので、主要中銀の金融政策運営に関する黒田東彦総裁の見解も注目される。

FOMC、テーパリングを2倍に加速-22年の3回利上げを示唆

他のポイント

  • 延長が見込まれるコロナ対応オペについても、CPや社債など民間企業債務を担保とした部分の終了・縮小などが選択肢になる。CP・社債の買い入れ自体も保有額を段階的に縮小する措置が取られる可能性もある
  • 来年1月の新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)の公表に向けて経済・物価情勢を入念に点検する。前回の10月展望リポートのシナリオにおおむね沿った動きとなっており、政府の経済対策の効果などによっては22年度の成長率上振れも視野に入ってくる
  • 米欧の中央銀行はコロナ危機に対応した金融緩和措置の手じまいに乗り出しており、日銀も資金繰り支援策の縮小で足並みをそろえる。ただ、物価は目標の2%に依然として遠く、金融緩和を続けていく姿勢に揺らぎがないことを改めて強調する見通し
  • レポ金利など短期金利に上昇圧力がかかる中、日銀は15日まで3日連続で即日の国債買い現先オペによる異例の資金供給を実施した。オペの理由や狙い、適正な短期金利水準に関する黒田総裁の見解への関心も高い。

現在の政策運営方針

  • 日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金利を適用
  • 長期金利がゼロ%程度で推移するよう上限を設けず必要な額の長期国債を買い入れ。許容変動幅は上下0.25%程度
  • ETFとJ-REITはそれぞれ年間約12兆円、約1800億円に相当する残高増加ペースを上限に必要に応じ買い入れ
  • CPや社債などは22年3月末までの間、合計約20兆円の残高を上限に買い入れ
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