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コロナ後見据える社債市場、5年債利率が上昇傾向-日銀オペ縮小観測

  • 5年債オペ終了もにらむ、九州電債は年度前半から7bp切り上がる
  • 適正水準探るプロセス、急激な需給悪化は想定されず-みずほ証林氏

日本銀行が新型コロナウイルス禍にある企業の資金繰りを支えるために実施している社債の買い入れ拡充措置を縮小するとの観測が強まる中、社債市場では日銀の動きを先取りする動きが広がってきた。発行市場ではコロナ後を見据え、早くも新発5年債の利率水準が上昇している。

  複数の関係者によると、日銀は社債とコマーシャル・ペーパー(CP)の買い入れについて、早ければ16、17日の金融政策決定会合で縮小を決める可能性がある。2020年春にはコロナ禍の長期化を受け1発行体当たりの社債の買い入れ上限を引き上げ、対象年限を残存3年超5年以下まで広げたが、期限の22年3月が迫っている。

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  措置縮小の可能性がある3年超の年限では、日銀の決定に先行して新発債の発行水準が上昇しつつある。例えば、九州電力の5年債は、6月に0.10%で発行したのに対し、12月10日の起債では利率0.17%に決まった。4月に0.09%だった東京センチュリー5年債も、12月には0.17%で条件決定している。

  ブルームバーグの試算によると、発行額を加味した5年普通社債の平均発行利率は、格付投資情報センター(R&I)または日本格付研究所(JCR)の格付けが「A」格の銘柄で11月以降に0.29%と、今年4-10月の0.22%から上昇。「AA」格では0.14%から0.17%に上がった。

日銀が買い取る社債の水準は上がっている

3年超5年以下の社債買い入れオペの案分レート

日本銀行

  日銀は毎月の買い入れ額を750億円と、5年債をオペ対象に追加した当初の2000億円からすでに半分以下に減らしている。5年債オペ終了を意識した投資家の応札ニーズが買い入れ額の3倍前後で高止まりする中、日銀が落札する最低レート(案分レート)が切り上がり、それが新発債の発行利率を押し上げる構図だ。

  みずほ証券プロダクツ本部の林和彦副本部長は、5年債の利率は今後も「オペがなかった場合に想定される水準に向けてじわじわと上がっていく」と予想している。日銀による低利回りでの買い入れの結果、見えにくくなっている5年債の適正水準を探るプロセスが必要になるとの見方だ。

  一方で、オペ終了がすでに織り込まれつつあるだけに、需給バランスを崩すような混乱は想定されないとも林氏は指摘。国内社債の基幹年限である5年債は「過去の経験則から言って投資家層は10年債以上に厚いはずだ」とし、利率上昇に伴い満期保有を前提とする投資家の買いも復活してくると話した。

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