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Photographer: David Paul Morris/Bloomberg
Cojp

米利上げ幅の制約を示唆か-利回り曲線、過去数十年で最もフラット化

  • 2年債と10年債のスプレッド、来年6月には55bpに縮小-先物市場
  • 大幅な金利引き上げできない段階で利上げストップや反転の可能性も

米金融当局は利上げサイクル開始に向けた準備を進めている。ただ、米国債市場のイールドカーブ(利回り曲線)は、当局が引き上げることのできる金利幅に異例の制約がある可能性を示唆しており、当局の利上げ意図とこうした制約が先行き両立不可能となる事態が想定される。

  米金融当局が現在予想されているように2022年半ばに利上げを始めた場合、米国債利回り曲線は引き締めサイクル開始時として、過去数十年で最もフラット(平たん)な形状になりそうだ。米2年債と10年債のスプレッド(利回り格差)が現在約83ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)であるのに対し、先物市場は来年6月には55bpになる見通しを織り込んでいる。

  このように平たんな利回り曲線や、期間が長めの米国債利回りの水準を見る限り、米景気回復が危険にさらされた場合、金融当局がインフレ抑制のためにそれほど大幅に金利を引き上げることができない段階で、利上げをストップするか、反転することさえ余儀なくされる可能性を投資家が想定している様子がうかがえる。

  利回り曲線の各年限の利回りは、米金融当局の長期的な政策金利見通しの2.5%を大きく下回り、一部年限の利回りは24年の見通しである1.8%さえ下回っている。金融当局者は15日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合終了後に最新の経済予測を公表する。

Market sees Fed hiking sharply but not getting rates very high in cycle
 
 

  マクロポリシー・パースペクティブズのジュリア・コロナド社長は利回り曲線について、米金融当局が留意しなければならない要素の一つだろうと指摘。「それは経済の先行指標の一つであり、全てを正確に予兆するわけではないが、完全に無視するわけにもいかない」と語った。

  もちろん、こうした市場の予想は誤りである可能性もある。約40年ぶりのハイペースとなった消費者物価指数(CPI)の急上昇に歯止めをかけるため、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が急勾配ないし長期の利上げサイクルの可能性を示唆し始めれば、見通しは大きな修正が必要になるだろう。

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  半面、インフレ率が22年に入って急速に鈍化する可能性もあり、その場合は米金融当局による引き締めの必要性は減り、低利回りが正当化されることになる。 

  しかし、インフレ動向ないし長期金利に劇的な変化がない限り、米金融当局が22年に一連の利上げキャンペーンに踏み切れば、利回り曲線の長短逆転が生じる可能性が示唆されている。こうした現象はリセッション(景気後退)の前兆と受け止められ、これまでの事例では金融当局はさらなる引き締めに消極的になった経緯がある。

  アリアンツの首席経済顧問で、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもあるモハメド・エラリアン氏らは、米金融当局が刺激策の縮小・解除にもっと早期に着手しなかったことが問題であり、その結果、インフレ率が現在のような高水準に達したとみている。

  エラリアン氏はブルームバーグテレビジョンとの最近のインタビューで、「開始が遅ければ、ある時点で、通常に望むよりも急ペースの進行を余儀なくされる展開となる。そして、そうした場合、何かを損なうリスクがある」と警告した。

Forward markets outlook for Fed terminal rate is falling
 
 

原題:

Fed Hikes Seen Starting With Yield Curve Flattest in Generation(抜粋)

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