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三菱UFJ信託が海外スタートアップの上場支援強化-JDRを活用

  • 足元で相談50件、香港の政情不安や国際金融都市への取り組み背景
  • 外国籍企業120社が過去20年で東証から撤退、比率は0.1%まで低迷

三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ信託銀行は、海外スタートアップの東京証券取引所への上場支援を拡大する。国際金融都市の実現に向けて海外企業の誘致機運が高まる中、日本預託証券(JDR)の仕組みを活用して日本の投資家に新たな投資機会を提供する。

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三菱UFJ信託銀行
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  長島巌社長はブルームバーグとのインタビューで、香港の政情不安などもあり、アジアの新興企業などの受け皿として「日本への関心が高まっている」と述べた。同行では新たに専任担当者を設けて上場支援を強化しており、足元の相談件数は50件程度に上るという。

  外国企業の株式を裏付けとする信託受益権を有価証券化したJDRは日本株と同じ取引口座で売買が可能で、投資家にとって利便性が高く、企業も流動性の向上が期待できる。今年6月にはシンガポールで合成樹脂の製造・販売を手掛ける企業がJDRを東証マザーズ市場に上場した。

  長島氏は、東証マザーズの新規上場企業の平均的な株価収益率(PER)はアジアの主要市場と比べ高いとして、企業は割安に資金調達できるメリットがあると強調。「香港やシンガポールに比べても上場する価値がある」と述べ、外国企業の上場が今後、大幅に増加するチャンスはあるとの見方を示した。

  日本の金融市場としての魅力を高めるため政府は、金融庁主導により海外の金融事業者や高度な人材を呼び込む「国際金融センター」の取り組みを加速。一方、経済産業省や日本貿易振興機構(JETRO)も、外国企業の対日投資を促す支援策などを講じている。

  日本取引所グループなどによると、1991年には東証に127社の外国企業が上場していたが、21年6月末で外国籍もしくは外国籍企業の子会社の上場は5社。上場企業数に占める外国籍企業の割合は7.2%から0.1%に低迷している。

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