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中国、財政刺激策を近く強化へ-政策前倒しで来年後半息切れも

更新日時
  • 不動産締め付けが残るも来年は規制面のサプライズ少ないか
  • 従来型の刺激策から着手、効果薄なら不動産緩和も-マッコーリー

中国は来年の早い時期から財政刺激策を強化し始めると、エコノミストらは見込んでいる。先週開かれた2022年の経済運営方針を決める中央経済工作会議では、景気下押し圧力への対応や経済の安定などが主要目標として挙げられた。

  エコノミストらによると、不動産業界への規制は残る見通しだが、テクノロジーから教育、娯楽に至るセクターに相次いで打ち出された今年の唐突な締め付け措置に比べて規制面のサプライズは少なくなる可能性がある。

  共産党指導部は10日まで開いた会議で、来年の最優先事項は「安定の確保」だと指摘。政策を「前倒し」するとともに、柔軟かつ適度な金融政策スタンスを維持する方針も示した。

中国は安定重視にシフト、成長減速にも対応へ-中央経済工作会議

  スタンダードチャータードの大中華圏担当チーフエコノミスト、丁爽氏は「財政政策は来年の成長率下支えで主要な役割を担う見通しだ」と分析。一方で住宅政策は大転換ではなく「微調整」にとどまるとの見方も示した。

Slowing Momentum

China's economic growth is set to decelerate further in the fourth quarter

Source: National Bureau of Statistics of China, Bloomberg surveys of economists

  不動産市場の低迷深刻化や消費の伸び悩み、新型コロナウイルスの感染再拡大で企業や消費者のマインドが損なわれており、ここ数カ月は中国経済が減速している。中央経済工作会議は不動産に関して比較的タカ派の文言を用いており、同業界の足かせは大半が残りそうだ。

  バークレイズの常建氏率いるアナリストチームはリポートで、中国当局が「カウンターシクリカル(逆周期)」政策を今回呼び掛けた点に注目。このフレーズを使ったのは今年に入り初めてだと指摘し、「経済成長の急減速を巡る市場の懸念緩和に寄与すると考えられる」と分析した。

  エコノミスト予測では今年10-12月(第4四半期)の成長率は3.1%に鈍化すると見込まれている。4-6月(第2四半期)は7.9%、7-9月(第3四半期)が4.9%だった。22年の国内総生産(GDP)成長率目標は来年3月に開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)まで公表されないが、5%前後の成長確保に向けて当局がさらなる措置を講じると予想されている。

2022年の経済運営方針を決める中央経済工作会議が閉幕、経済安定などが主要目標として挙げられた
Daybreak: Asia.”

  マッコーリー・グループの中国担当チーフエコノミスト、胡偉俊氏はリポートで、政策当局は預金準備率の引き下げやインフラ支出の加速など「従来型」の金融・財政手段から着手し、こうした取り組みが実を結ばなければ、不動産セクターや地方政府債務の規制緩和に踏み切る可能性があると見込んでいる。

  また、中央経済工作会議の要旨から経済の債務水準制御に向けた取り組みへの言及がなくなっており、来年は当局が銀行に対して融資を加速するよう指導する見込みだ。

  ただ、地方政府の債務拡大にはくぎも刺しており、より長期的には高水準の財政支出を維持することは難しくなることが示唆されている。

  ポールソン研究所の宋厚沢リサーチフェローは「強力な刺激策は1-3月だけとなりそうだと私には見受けられる」とし、「地方政府による新たな予算外債務に関する厳しい規制は続くため、予算内の財政支出が年後半に正常化するに伴い刺激策は弱まるだろう」と語った。

原題:China Seen Adding Fiscal Stimulus Soon After Setting Priorities(抜粋)

(第5段落以降を追加し更新します)
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