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Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg
Cojp

国内投資家が海外株に買い集中-オミクロン株出現などで急落した先週

新型コロナウイルスの新たに変異したオミクロン株の出現と米国の金融引き締め加速観測が市場を揺るがした先週、国内投資家の海外株を買い越した金額は1兆円を上回った。統計がさかのぼれる2005年以降で最大だ。

  財務省が9日発表した対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)によると、11月28日~12月4日週の国内投資家による海外の株式・投資ファンド持分投資は1兆2150億円の買い越しだった。

  T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは、国内投資家の海外株買いについて、「国内株も下げていたので、リバランスの動きに加えて今後の値上がりを期待したような動き」があった可能性を指摘。「パウエル議長の発言もあり、債券市場は3回程度の利上げを織り込むかたちになっているが、株式市場ではまだ楽観的な見方も強く、そうした市場参加者が株価が下落したところで買いに向かったのではないか」と指摘する。

海外株に殺到
 
 

  先週はオミクロン変異株の感染拡大やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)のテーパリング(債券購入の段階的縮小)加速発言を受けて、世界的に株安が進行。パウエル議長がインフレは「一過性」との見方を撤回した11月30日からの2日間で米S&P500種株価指数の下落率は昨年10月以来の最大。国内投資家が使用する外国株のベンチマークで、日本株を除いたMSCIコクサイ指数は10月中旬以来の水準に沈んだ。 

  一方、先週の海外投資家による対内株式・投資ファンド持ち分投資は3週連続の売り越し。JPモルガン・アセットマネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、リスクオフ時は景気に敏感な日本株は買いづらい一方、「下がっても成長が見込める米国株には押し目買いも入りやすい」と指摘。為替が若干の円高方向に振れていたが、円高で割安になった海外資産が買われたというよりは、リスクオフで海外株を買ったとみる。

  その後、市場ではオミクロン株への懸念が後退。今週に入り、株式市場は急速に持ち直している。浪岡氏はオミクロン株の経済指標への影響もまだ限定的で分からないところが大きく、「今後悲観的な見方が強まれば状況は変わってくる」と指摘。「来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)に対して警戒感はあるし、慎重な投資家もいる」ため、海外株買いが継続するかは不透明とみている。

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