コンテンツにスキップする

中国国債は安全資産か-強まる規制リスクで地位揺らぐ可能性も

  • 中国は6位、日本が首位-ブルームバーグの9債券市場分析
  • 最近の不動産関連規制、中国版ESGとの指摘も

魅力的な利回りと安全性を兼ね備えた資産を切望している債券投資家にとって、 中国国債はここ数年、注目の的だった。

  だが今は危険信号が点滅している。政府が不動産開発会社やテクノロジー企業などあらゆる分野に対し締め付けを続けており、突然の規制変更が外国からの中国国債投資にも悪影響が及ぶのではとの疑問が生じている。

  インフレ調整後のプラス金利と比較的安定したボラティリティーを理由に中国国債に対して強気のままのファンドマネジャーもいるが、規制リスクと信用格付けの弱さがその魅力を損ねている。そのため、安全資産として中国国債が米国債の好敵手となる可能性は低下し、人民元の世界的利用を推進しドル支配を弱めようとする中国政府の取り組みにも暗雲が漂う。

  アセットマネジメントOneのグローバル債券運用者、竹井章氏は中国国債投資について、規制の「可能性という意味では他の国より高く感じてしまう」と指摘。中国国債市場への規制導入は見込んでいないものの、国債市場以外の規制が対中投資全体にどのように影響するかを見極める必要があると述べた。

  世界経済における中国の影響力が増し、外貨準備に組み込まれる中国国債が増えるにつれ、元建て国債の地位は向上。だが今は米国との隔たりが大きくなり、国内で広がった貧富の格差を埋める広範な取り組みが行われる中で、法の支配の在り方が変わりつつある。セーフヘイブン(安全な避難先)を探し求める投資家はこうした状況を魅力の低下と捉えるかもしれない。

  ブルームバーグは対外純資産やボラティリティーなどの要因を踏まえ、9つの債券市場を調査。その結果、中国国債は6位にランクされた。トップは日本国債で、スイス、カナダ、ドイツ、米国と続く。最下位となったのは英国。

relates to 中国国債は安全資産か-強まる規制リスクで地位揺らぐ可能性も
 
出典:ブルームバーグ

  ブルームバーグの調査では、法の支配に関する項目での中国国債のスコアはマイナス2.72と、9市場中最低。信用格付けの項目ではマイナス1.63と、日本国債と同率最下位となった。

  ただ中国国債が抱えるこうしたリスクにもかかわらず、外国からの資金流入は続いている。チャイナボンドのデータによれば、外国勢の中国国債保有は今年1-10月に4260億元(約7兆6400億円)増え、2018年以来のハイペースでの伸びを記録した。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行の金利ストラテジスト、フランシス・チューン氏(シンガポール在勤)は、実質利回り格差の観点からすれば中国国債は依然として魅力的で資金流入が続く公算が大きいと予想。ブルームバーグが分析した9市場でインフレ調整後の利回りがプラスなのは中国のみだ。

Global funds continue to buy China's government bonds this year
 
 

 

  ブランディワイン・グローバルでポートフォリオマネージャーを務めるトレーシー・チェン氏(米フィラデルフィア在勤)は20年に中国国債を初めて購入。中国は世界2位の債券市場だが、外国からの投資がまだ過少で、中国国債を「代替的なセーフヘイブン」と見なしたためだ。

  同氏は「不動産開発セクターにおける最近の規制強化とレバレッジ解消は短期的には苦痛だが、長期的な成長には有益だと考えている」ことを明らかにし、「われわれからすればこれは中国版ESG(環境・社会・企業統治)であり、今後はより質の高い成長を示すはずだ」 と語った。

  ブルームバーグが今回の調査でまとめたスコアは次の6基準を用いている。

変数情報源
ソブリン格付けS&Pグローバル・レーティング
対外純資産国際通貨基金(IMF)
法の支配世界銀行
債券リターンのボラティリティーブルームバーグ
実質10年債利回りブルームバーグ
時価総額ブルームバーグ、各中央銀行

原題:China’s Bid to Rival U.S. as Debt Haven at Risk After Crackdowns(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE