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金融所得課税、投資環境を損なわないよう配慮し検討-税制大綱案

更新日時
  • 来年以降、経済やマーケットの状況なども踏まえながら検討-宮沢氏
  • デリバティブ取引への損益通算拡大は見送り、「早期に検討」

政府・与党は2022年度の与党税制改正大綱で、金融所得課税について「一般投資家が投資しやすい環境を損なわないよう十分に配慮しつつ、諸外国の制度や市場への影響も踏まえ総合的な検討を行う」と明記する。ブルームバーグが入手した大綱案で明らかになった。

  大綱案では、金融所得課税について「高所得者層において所得に占める金融所得等の割合が高いことにより、所得税負担率が低下する状況がみられる」と指摘。状況を「是正」し、「税負担の公平性を確保する」観点から「課税のあり方について検討する必要がある」と盛り込む。

金融所得課税を巡る記載
高所得者層において、所得に占める金融所得等の割合が高いことにより、所得税負担率が低下する状況がみられるため、これを是正し、税負担の公平性を確保する観点から、金融所得に対する課税のあり方について検討する必要がある。その際、一般投資家が投資しやすい環境を損なわないよう十分に配慮しつつ、諸外国の制度や市場への影響も踏まえ、総合的な検討を行う。

  22年度の与党税制改正大綱は賃上げ税制の強化などを優先し、金融所得課税の見直しは見送った。自民党の宮沢洋一税制調査会長は9日の会合後、「来年以降、経済の状況やマーケットの状況なども踏まえながら検討していくことになろうと思う」と記者団に語った。

  金融所得課税の見直しは、岸田文雄首相が格差是正策として総裁選の公約に掲げた。首相就任後、株価下落や市場の批判を受けて当面の間、撤回する意向を示したものの、将来的な実施は否定していなかった。8日の衆院本会議では「分配政策の選択肢の一つ」と改めて述べた。

  一方、大綱案はデリバティブ取引に関する金融所得課税の一体化については、「金融所得課税のあり方を総合的に検討していく中で、意図的な租税回避行為を防止するための方策等に関するこれまでの検討の成果を踏まえ、早期に検討する」とした。金融庁は税制改正要望で金融商品取引の損益通算範囲をデリバティブ取引にも拡大するよう求めていた。

その他のポイント

  • 賃上げ税制は大企業で控除率最大30%、中小企業は40%に
  • 収益が拡大しているのに賃上げも投資も特に消極的な企業に対し、租税特別措置の適用を停止する措置を強化
  • 住宅ローン減税は4年間延長し、年末時点のローン残高の1%としている控除率を0.7%に引き下げ
  • 第5世代(5G)移動通信システムの導入促進税制は対象設備やインセンティブ等の見直しを行った上で、3年間に期間を限定した上で延長
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岸田文雄首相 (6日)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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