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米モルガンS、日本の運用残高6兆円超と3年弱で倍増-ESG後押し

  • 海外運用を強みに資金集める、増加分の約3割がESG商品
  • ESG導入と投資リターンの両立に取り組むと運用子会社の清水社長

モルガン・スタンレーが日本国内で受託している運用資産残高(AUM)が3年足らずで2倍強に増えた。長引くマイナス金利で機関投資家、個人ともに厳しい運用環境が続く中、海外での運用に強みを持つ同社に資金が集まり、ESG(環境・社会・企業統治)関連資産も伸びた。

Morgan Stanley’s Slimmon Sees Value Stocks Coming Back to Life
モルガン・スタンレーのロゴ
Photographer: Jeenah Moon/Bloomberg

  日本の運用子会社モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(MSIM)の清水寛之社長によると、2018年末に約3兆1000億円だった国内受託AUMが21年9月末時点で約6兆6000億円に増えたという。投資信託協会の調べでは、同時期に国内公募投信の純資産総額は53%増え、160兆円となった。日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れなどを背景に好調だった。

  MSIMの増加分のうち、ESG関連が3割程度を占めた。清水社長は、日本の投資家によるESG関連商品への関心は「明らかに高まっている。興味がないという方はほとんどいないのではないか」と述べた。

  世界の運用会社の団体などで作るグローバル・サステナブル・インベストメント・アライアンスのデータによると、20年の日本のESG関連運用資産は2兆8740億ドル(約324兆9700億円)と世界全体の約8%に上った。

  ESG関連で特に貢献したのは、世界の株式を対象とする公募投信のグローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>。アセットマネジメントOneが設定し、米MSIMが実質的な運用を手掛ける。

  20年7月に設定した新しい商品ながら、1日時点の純資産額は16年に設定した姉妹ファンドを上回る1兆1480億円とオープンエンド型国内公募投信では2位の大ヒット商品となっている。

  一方で、同ファンドは以前、組み入れ銘柄のESGへの取り組みに関する説明が不足していると金融庁が関心を寄せた経緯がある。清水社長は、他社商品でありコメントは控えるとしたが、運用の考え方として、「指導に従って開示が必要ならどんどん高めながら、ESGがきちんとした形で導入されるようにしていきたい」と語った。

  運用残高の増加に関しては「投資家がきちんと収益を上げられており、パフォーマンスが評価されている」とし、同社としてESGとリターンの両立に取り組んでいくと述べた。

プライベートクレジットが人気

  ニュージーランドの利上げや米国、カナダの利上げ観測により、世界的な低金利は終焉(しゅうえん)に向かうとの見方が強まる中、清水社長は日本の投資家の動きについて、利上げに備える戦略を立てつつ当面の運用を行っているとみる。具体的には金利に敏感な投資適格債、ハイイールド債などへの投資機会を待ちながら、現在は金利感応度が比較的低いプライベートクレジットなどに人気が集まっているという。

  また、運用商品の多様化が進んだことで低金利から潮目が変わっても「引き続き機関投資家の運用委託ニーズは高い」とも分析。同社の受託AUMは今後も「いいペースで伸びると思う」と話した。

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