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Photographer: Angel Garcia/Bloomberg
Cojp

「60/40」ポートフォリオが盤石でなくなる日、最大の脅威はインフレ

  • リタイア予備軍に人気の資産配分戦略、「かなり危険」との指摘も
  • インフレで利回りが上昇、最大の打撃は高格付け債に

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ウォール街では過去のパフォーマンスが将来の結果を保証しないとの警告をよく耳にするが、昔ながらの「60/40」戦略に関してはこれまで、それなりに保証されてきたといえる。だが今後インフレが根強く続けば、これも終わりを迎える可能性がある。

  株式60%、債券40%で構成する投資ポートフォリオを見ると、2007年以降に年間リターンがマイナスとなったのはわずか2回。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下におけるリターンは、データでさかのぼれる1980年代以降の平均を上回る。60/40ポートフォリオは20年に17%のリターンを上げ、今年も2桁のリターンをもたらす勢いだ。だが今年は9月と11月はマイナスで、12月もこれまでマイナス0.4%だ。米金融当局はこのところ、タカ派寄りへの姿勢転換を示唆し始めている。

タカ派転向かFRB議長、重大分岐点と市場身構え-基調変化確実 (1)

  代替投資先を見つけるのも容易ではない。60/40戦略が不振に陥る可能性がささやかれても、プライベートエクイティ(PE、未公開株)や不動産といった資産はずっと流動性が低く、リタイアに向けて貯蓄している個人投資家にとってあまり利用しやすい選択肢ではない。

  そうした中、これまで見られたような60/40ポートフォリオの素晴らしい成績は終わりを迎えつつあると、多くのファンドマネジャーは指摘する。理由はインフレだ。

US 60/40 portfolio swings during pandemic era

September loss reflected inflation scare

Source Bloomberg

60/40 index comprises US large cap equities (B5OOT) and US Agg index (LBUSTRUU) As of Nov 30 2021

  ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのジャン・ボアバン氏は、「過去30年間にうまく機能したことが、そのまま続くと期待してはいけない」と語る。同社は世界の60/40ポートフォリオについて、向こう10年間の年間トータルリターンは5.6%になると予想している。

  第1の問題は、既に一部指標で示されているように米国株と米国債がすでに割高なことだ。よって一段と上昇するためのハードルは高い。第2にこの戦略の債券側で選好される高格付け債は、インフレで利回りが押し上げられる状況で最も大きな打撃を受ける。米10年債利回りは現在1.4%前後。昨年は一時0.31%まで下げていた。ブルームバーグ米国債指数はトータルリターンベースで、年初から12月3日までに1.4%低下した。

  アスピリアントのマネジングディレクター、サンディ・ブレイガー氏は「現在のような環境では、60/40戦略はかなり危険だと考えられる」と述べた。同氏は130億ドル(約1兆4800億円)相当の資産運用に携わる。

原題:Inflation Is the Biggest Threat to the Bedrock 60/40 Portfolio(抜粋)

 

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