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日銀の資金繰り支援策、コロナオペは「部分延長」も-前田前理事

  • オミクロン株拡大など不透明な要素、政府もしばらく経済支える姿勢
  • CP・社債はコロナ前に戻す可能性、変異株の動向次第で全て延長も

前日本銀行理事の前田栄治ちばぎん総合研究所社長は、2022年3月末に期限を迎える日銀の新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムについて、一部は延長される可能性があるとの見解を示した。

  前田氏は6日のインタビューで、オミクロン株拡大など不透明な要素もあり、政府もしばらく経済を支える姿勢とし、特別プログラムのうち新型コロナ対応金融支援特別オペは「部分延長とみる」と語った。「資金繰りは個別の業種や企業の問題となってきており、経済全体に対応することを基本とする金融政策の対象外となりつつある」と指摘した。

Chiba-bank Research Institute President Eiji Maeda
前田栄治ちばぎん総合研究所社長
Source: Bloomberg

  来週の金融政策決定会合では、特別プログラムを巡る議論が見込まれている。融資を行った金融機関に低利でバックファイナンスするコロナオペとコマーシャルペーパー(CP)・社債の増額買い入れで構成。コロナオペは利用実績に応じて当座預金にプラス付利が得られ、残高は約80兆円に達する。

  前田氏は「ボードの中にはマネタリーベースといった量の拡大にこだわるメンバーもいると考えられる」と指摘した。オペを縮小する場合も「残高の減少を緩やかにするために、ある程度ロールオーバー(借り換え)を認める」ことも考えられるとしている。

  合計で約20兆円の残高を上限とするCP・社債の買い入れに関しては、「発行市場も良好で日銀が支える必要性は後退している」とし、コロナ以前の「枠組みに戻すのではないか」との見方を示した。今後のオミクロン株の影響などによっては、現行プログラムのまま「延長する可能性もゼロではない」とも語った。

80兆円超え

日銀の新型コロナ対応特別オペの残高

日本銀行

金利微調整の議論も

  22年の日銀の金融政策運営は「基本的に不変」としながらも、一段と円安が進行し、原油価格の高止まりが続けば「日銀の極端な金融緩和に対する国民の批判が高まる可能性はある」とみている。インフレや金融政策修正について現在は「日銀だけ蚊帳の外」とし、「かなり極端な緩和策をやっているのは事実であり、ずっとそうした状況が続くとも望ましいとも思わない」とも語った。

  エネルギーと生鮮食品を除く消費者物価の1%超えや長期金利が0.25%程度の変動許容幅の上限に張り付く局面では、緩和的状態を長く続けるといった趣旨のフォワードガイダンスと組み合わせ「金利を微調整するという議論が出てきてもおかしくない」という。その位置付けは金融政策の正常化ではなく、マイナス金利やイールドカーブコントロール(長短金利操作)という「緊急避難措置の解除」になるとみる。

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