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2022年の株式相場、注目すべき5つの要因-インフレなどで転機か

  • 今年の相場を動かした大きなテーマの一部は継続する公算が大きい
  • 多くの世界的機関投資家は中国株に前向きになりつつある
A trader points to monitor displaying an S&P 500 Index chart on the floor of the New York Stock Exchange.

A trader points to monitor displaying an S&P 500 Index chart on the floor of the New York Stock Exchange.

Photographer: Bloomberg/Bloomberg

2021年に国・地域別で最も高パフォーマンスを演じるのがモンゴル株になることや、映画館チェーンの株価が13倍になることを予想していたストラテジストは1年前にはほとんどいなかっただろう。

  株式の強気派は多かったが、欧米株価指数が軒並み最高値更新を続ける局面や、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が出現してからの急落を予想していた人はほとんどいなかった。中国不動産業界の流動性危機を予測していた人はさらに少数派だ。

  要するに、今年はサプライズの多い1年だった。来年の相場を細かく占うのは難しいが、いくつかの大きなテーマは継続する公算が大きい。

Winners and Losers

Chinese and Turkish stocks were among the big losers of the year

Source: Bloomberg, data as of Dec. 3, 17:00 GMT

新型コロナ

  過去2年間は新型コロナの感染状況が相場を動かす主な要因だった。そして今もなお、オミクロン株への不安が世界の株式市場に影響を与えている。

  来年は米ファイザーや米メルクの抗ウイルス薬の登場により、新型コロナが脇役になると多くのストラテジストは見込んでいる。オミクロン株には既存治療法が効かない恐れもあるとの警告は聞こえるが、こうした楽観論は大方変わっていない。

  しかし、今回のパンデミック(世界的大流行)で得た教訓があるとすれば、株式投資戦略と疫学は別物だということだ。たとえ新型コロナがエンデミック(地域的流行)になったとしても、感染者を隔離する制限措置は「成長への持続的な足かせになりつつある」と、フィデリティー・インターナショナルのロマン・ブシェ最高投資責任者(CIO)は語る。

Volatility of volatility is sitting near its highest since January
 
 

インフレ

  市場は今年、物価の急上昇を大目に見てきた。ただ、これには理由がある。コスト増加分を消費者に価格転嫁できることが企業利益の急増で証明されたからだ。

Price Pressures

Inflation expected to peak at turn of 2021-22 before gradually receding

Source: Organization for Economic Cooperation and Development economic outlook 110 database, OECD calculations

  価格圧力が続く場合、あるいはさらに激化する場合は厄介な状況が訪れる可能性がある。株式がインフレ・ヘッジとして有効なのは一定の物価上昇水準までであり、オッドBHF、ウォーラックベス・キャピタル、ロンバー・オディエはそれを3-5%とみている。ロンバー・オディエのフロリアン・イエルポ氏によると、インフレ率が4%を超えて高止まりすれば、企業利益が損なわれ、株価にも打撃となる。

脱炭素化

  インフレが構造的に高止まりする可能性がある理由の1つは、気候中立への移行だ。炭素価格の上昇や環境税の負担増が企業の生産コスト増加につながる半面、化石燃料への投資縮小はエネルギー価格の急上昇をもたらしてきた。

  一方で、ブラックロックやニュビーンなどの資産運用会社は脱炭素化により、かつてない投資機会が生み出されるとみている。

Stocks positively exposed to decarbonization benefit over the long term
 
 

  ドイツで緑の党が連立政権入りしたことで、シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーやヴェスタス・ウインド・システムズなど、今年は軟調だった脱炭素銘柄が押し上げられるかもしれない。

メタバース

  フェイスブックの社名変更でメタバース(ネット上の仮想世界)に注目が集まった。フェイスブックからメタ・プラットフォームズへの社名変更が発表されると、半導体大手エヌビディアとゲーム会社ロブロックスなどの株価が上昇した。

メタバースの勝者を目指せ、ザッカーバーグ氏に共鳴するエヌビディア

Metaverse ETF soars briefly after FB shifts focus to virtual world
 
 

  エピック・ゲームズのティム・スウィーニーCEOは、メタバースには数兆ドルのチャンスがあるとみている。

  すでに、ゲームの中だけで使えるグッチのデジタル版バッグは、実物のバッグより値段が高くなっている。こうした動きはパンデミック時の巣ごもり需要で加速した側面があるが、今後も続くと予想され、アップルが参入することで本格化する可能性がある。

中国

  中国政府は今年、大手テクノロジー企業や教育関連企業に対する締め付けを強め、不動産セクターへの依存度を下げるべく不動産業界への融資を制限した。生産者物価の上昇で企業は利益確保が難しくなり、過去数カ月は中国人民銀行(中央銀行)による大規模な緩和策の不在が経済成長の妨げとなっていた。

  香港市場のオフショア中国株は今年、世界的にもパフォーマンスの悪さが目立った。ナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は2月の高値から50%余り下落。MSCI中国指数は世界の株式に対し、2006年以来の低水準近くにある。

The MSCI China Index is trading near lowest versus the global peers
 
 

  それでも、多くの世界的機関投資家は中国株に前向きになりつつある。

  ブラックロックは規制のピークが過ぎ去ったとみて、年明け後は経済促進策の強化が効果を発揮し始めると見込んでいる。同社のポートフォリオマネジャー、ルーシ-・リュー氏は「まさに今がポジションを作るタイミングだと判断している」と語る。

  ゴールドマン・サックス・グループは、再生可能エネルギーなど、習近平国家主席が掲げる「共同富裕」政策に関連する投資機会に強気だ。UBSグループは、規制強化は織り込み済みで、企業利益とバリュエーションは改善に向かうとみている。

ゴールドマンが選ぶ中国50銘柄、「共同富裕」から恩恵受けるのは

原題:

Inflation, China and Virus: What to Watch in Stocks in 2022(抜粋)

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