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日本政府が化石燃料投資を密かに推奨-COP26から1カ月足らず

  • 商社や石油元売り、電力会社に石油・ガス関連の新規投資を奨励
  • 輸入依存度の高い日本にとって、冬の燃料不足は深刻な問題
Boris Johnson, U.K. prime minister, arrives at the COP26 climate talks in Glasgow, U.K., on Wednesday, Nov. 10, 2021.

Boris Johnson, U.K. prime minister, arrives at the COP26 climate talks in Glasgow, U.K., on Wednesday, Nov. 10, 2021.

Photographer: Robert Perry/EPA

世界各国の指導者が気候変動との戦いを誓った国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議 (COP26)から1カ月もたたない中、日本政府が化石燃料からの脱却にブレーキをかける兆候を見せている。

  政府関係者は水面下で、商社や石油元売り、電力・ガス会社などに対し、化石燃料からの脱却ペースを落とすことや、石油・ガス関連事業への新規開発投資を奨励している。事情に詳しい政府や業界関係者が匿名を条件に明らかにした。

  再生エネルギーへの傾倒が世界的に進む中、政府関係者は以前から使われてきた化石燃料の供給の長期的な先行きを懸念しているという。日本は輸入依存度が高いこともあり、電力需給の逼迫(ひっぱく)が全国的な停電につながりかねなかった昨年の教訓を念頭に、冬季に必要な燃料が不足する事態を今後も回避したい考えがある。

  COP26では、日本を含む約200カ国・地域が、石炭火力の段階的な削減などを含む地球温暖化対策の国際合意「パリ協定」の最も意欲的な努力目標を引き続き追求することで一致した。

COP26、石炭火力「段階的削減」で合意-1.5度に抑制追求も明記 (3)

  しかし、世界の脱化石燃料の動きもあって物価が上昇する中、日本政府内のこうした動きは、必要なエネルギーの9割近くを輸入に依存しなければならない日本にとって、COP26での誓約の実現がいかに大変かを示す。

  経済産業省の担当者は産業界に対する投資の促進に関してはコメントを控えた上で、10月22日に閣議決定された第6次エネルギー基本計画について言及した。同計画では石油・天然ガスの自主開発比率(2019年度は34.7%)について、30年に50%以上、40年に60%以上とすることを目指している。

  一方、同計画は「エネルギー・セキュリティーの確保に関しては一切の妥協は許されず、必要なエネルギー・資源を安定的に確保し続けることが国家の責務である」とも記述している。

  丸紅住友商事などの総合商社は元来、資源に乏しい日本でエネルギー供給の大役を担い、石油や天然ガスを供給するために巨額の投資を行ってきた。だが、将来のエネルギー資源に不透明感が高まる中で、株主からの圧力により化石燃料からの脱却を急速に進めている。

原題:

Japan Quietly Endorses Fossil Fuel Investments Weeks After COP(抜粋)

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