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トルコ中銀の介入は「苦肉の策」、エルドアン氏の経済計画が裏目に

  • 1日のリラ介入、政策担当者の不安増大を示す
  • 介入にも市場の反応は今ひとつ、リラは年初来で価値が半分程度に

政治不信が高まるトルコで、抗議デモが散発的に発生している。通貨リラの価値を無視するエルドアン大統領のやり方は限界点に達したのかもしれない。

  トルコ中央銀行がリラ急落に歯止めをかけようと約10億ドルを費やして為替介入に動いたことは、エルドアン大統領の経済改革計画に政策担当者がますます不安を募らせていることの表れだ。大統領が利下げを求める中でも、中銀が行動をとることに積極的だという兆しがトルコで初めて見られた。

  そこで投資家が隠さず口にする疑問は、金融当局がどこまで危機のさらなる深刻化を阻止できるのかということだ。1日の介入に対してリラ相場の反応が薄かったことを踏まえると、投資家の信頼感は依然低い。

  ロンドンを拠点とするコンサルティング会社クリブストーン・ストラテジック・マクロの創業者マイク・ハリス氏は、「苦肉の策」に見えると指摘。トルコの通貨防衛は「門を広く開けておきながら、壁を高くしようと支出する」ようなものだと語った。

 

The Turkish lira has weakened to all-time lows
米ドルの対トルコ・リラ相場
出所:ブルームバーグ

  リラはイスタンブール時間1日午後7時36分時点でドルに対して1%上昇しているものの、依然として過去最安値に近い。この日は一時8%余り上昇する場面もあったが、上げを縮小した。リラの価値は年初に比べて半分程度になった。

  リラ下落はトルコが工業大国に生まれ変わり、高金利に引かれて国外から流入する短期資金への依存から脱却するためのコストとして、エルドアン氏の目には映る。その壮大な設計図を狂わせる問題が積み上がり始めている。

  リラ急落はトルコの中流層に大打撃を与え、投資家をいらだたせ、大統領への不満を高めたことがその一つだ。2023年の次回選挙までにエルドアン氏が経済を立て直すのはほぼ不可能だろうと、アナリストらは指摘する。エルドアン氏がしばしば言い誇るようにリラ安が質の高い製品の輸出拡大に寄与するとしても、2年以内の実現は難しいとアナリストらは述べている。

  「リラ安が輸出の助けになるなら、輸出は長年にわたって活況が続いているはずだ」とメドレー・グローバル・アドバイザーズの新興市場ディレクター、ニック・スタッドミラー氏は語った。

 

The lira's slide kept Turkey's inflation in double digits since late 2019
米ドルの対リラ相場(白)、トルコCPI(前年同月比、青)
出所:トルコ統計局、ブルームバーグ

 

原題:

Erdogan’s Plan Backfires With ‘Desperation’ in Turkish Lira (1)(抜粋)

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