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インフレ加速でも中銀は冷静を、引き締め急ぐな-OECD報告

  • 今年の世界経済成長率5.6%と予測、前回から0.1ポイント下方修正
  • 米国、中国、ユーロ圏の成長見通しは21、22年ともに下方修正

世界の景気回復ペースが鈍化し不均衡は持続、想定より深刻なインフレが長期化する中でも、中央銀行は冷静さを保つ必要があると、経済協力開発機構(OECD)が指摘した。

  OECDは1日公表した世界経済見通しで、需要の安定と供給ボトルネックの緩和、人々の労働市場への復帰により、インフレは年末前後にピークに達するとの予測を示した。これは金融当局者に「政策上の大きな課題」を突き付けるが、当局は引き締めを急ぐべきではないと論じた。

  チーフエコノミストのローレンス・ブーン氏は報告書で、「現状で中銀にできる最善策は、供給ストレスが緩和されるのを待ちつつ、必要があれば行動すると示唆することだ」と指摘した。最新見通しの大半は、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の出現前にまとめられた。

 

Price Pressures

Inflation expected to peak at turn of 2021-22 before gradually receding

Source: Organization for Economic Cooperation and Development economic outlook 110 database, OECD calculations

  主要国・地域の最近のインフレ指標は中銀当局者に課題を与える内容だったが、オミクロン株の出現は政策判断をさらに難しくする。

 

Inflation Watch

OECD consumer-price projections for 2022

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

Note: Mapped data show inflation forecasts for distinct economies

  最新予測の大部分はオミクロン株が世界の市場と投資家心理を揺るがす前にまとめられたにもかかわらず、OECDは予測を取り巻く「重大リスク」一覧のトップに新たな変異株出現の可能性を挙げている。一覧にはまた、不動産セクターの問題が長期化した場合に中国経済が予想よりも弱くなる恐れや、インフレ率が想定を上回り続ける可能性も含まれている。

  OECDは今年の世界経済成長率予測を5.6%と、前回予測から0.1ポイント下方修正した。22年の予測は4.5%で据え置いた。米国、中国、ユーロ圏の成長見通しは両年とも下方修正した。

 

Less Momentum

The OECD trimmed its forecasts for economic growth

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

  ブーン氏は「慎重ながらも楽観的」な見通しだとしながらも、不均衡な回復には上振れよりも下振れリスクの方が大きいとの認識を示した。より毒性の強い変異株の出現を防ぐためにワクチン接種拡大の取り組みを強化する必要性を指摘した。

  「回復は本物だが、政策当局の仕事は困難なものだ。経済変革のための新しく、より良い計画を策定するに当たり、慎重さと忍耐、粘り強さをバランスさせなければならない」とブーン氏は論じた。

  

 

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原題:Central Banks Told Not to Panic in Face of Inflation Spike(抜粋)

 

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