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タカ派転向かFRB議長、重大分岐点と市場身構え-基調変化確実

更新日時
  • インフレ高止まりが資産購入の早い終了を正当化する可能性に言及
  • 市場の受け止めを考慮せず重要な政策的含意を撤回したとゴクマン氏

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、資産購入のテーパリング(段階的縮小)ペース加速に意欲を示した。これに伴い、金融市場が2018年以降見掛けなかった役柄がパウエル議長に与えられることになる。すなわち「タカ派」だ。

  パウエル議長が11月30日の議会証言で、インフレの高止まりが資産購入の予定より早い終了を正当化する可能性に言及したことを受け、株式相場は下落し、短期金利は上昇、株価のボラティリティーの高まりが指標に反映された。

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  連邦準備制度の金融政策は、18年のクリスマス以降で実質的に倍になったS&P500種株価指数の強気相場を支えてきたが、パウエル氏の発言がその重大な分水嶺(れい)だったかどうか、それが投資家の喫緊の問題になる。

  アルファTrAIで最高投資責任者(CIO)を務めるマックス・ゴクマン氏は「よりタカ派的トーンで発言しているだけでなく、それを市場がどう受け止めるかほぼ考慮することなく、重要な政策的含意を撤回している。テーパリングと利上げのスケジュールに関して彼がこれまで高めようとしてきた予測可能性の全てに疑念が生じることになった」と指摘した。

  18年末のタカ派からハト派への転向以降、パウエル議長のメッセージを特徴付けてきた「慎重さ」の感覚が、11月30日の議会証言のスクリプトから抜け落ちていた。

Treasury Secretary Yellen And Fed Chair Powell Testify Before Senate Banking Committee On CARES Act
パウエルFRB議長(11月30日)
 

  進行中の転換がどの程度劇的なものかはまだ分からないが、18年以降は連邦準備制度から励ましの以外の言葉をほぼ聞いたことがない市場の基調が変化するのは間違いない。ますます厳しいインフレの状況を描き出す経済報告に投資家は今や翻弄(ほんろう)されることになりかねない。

  コーナーストーン・マクロのポートフォリオ戦略責任者マイケル・カントロウィッツ氏は「市場はデータに非常に敏感に恐らく過度に敏感になるだろう。通り抜ける必要がある深い霧が存在する」と分析した。

  パウエル議長は今、インフレが目標に達したとの認識を示唆している。ルネサンス・マクロ・リサーチの米経済調査責任者ニール・ダッタ氏は、雇用の回復が続けば、同議長が利上げを告げる態勢が事実上整うとの見解を示す。

  「(パウエル氏は)テーパリング終了前倒しのシグナルを発することで早期利上げに道を開いた。雇用の目標が達成されるかなり前に連邦準備制度が引き締めを開始したとすれば、市場にとってリスクだろう。現時点でそれは起きていない。今後テーパリングが終わるまで雇用は加速し続けるだろう」とダッタ氏は解説した。

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  パウエル議長の議会証言での変貌ぶりは、約束を破ったために可愛い生き物から凶悪な怪物が増殖していく1980年代の映画「グレムリン」をアルファTrAIのゴクマン氏に思い起こさせた。

  「パウエル氏は投資家に寄り添うファジーキャラクターとしてスタートしたが、(約束を破り)真夜中すぎに誰かが食べ物を与えたようだ。FRB議長への再任は、グレムリンに(禁じられていた)水をかける行為だったかもしれない」とゴクマン氏はコメントした。

 
Source: Bloomberg
Stocks have had great run since end of 2018
 
 

 

relates to タカ派転向かFRB議長、重大分岐点と市場身構え-基調変化確実
 
出典:ブルームバーグ

原題:Hawkish Powell Is a Force Markets Haven’t Faced in Three Years(抜粋)

 

 

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