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米債市場にボラティリティー復活、オミクロン株に続きFRB議長発言

  • パウエル議長:インフレは「一過性」との表現を取り下げる時が来た
  • 22年6月物ユーロドル先物のボラティリティー、約1年ぶり高水準

債券市場のボラティリティー(変動性)の復活は、大方の予想より急ピッチに加速している。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による直近のタカ派シフトは、相場波乱が増幅する方向への広範なシフトを鮮明にしているようだ。他の米金融当局者もインフレ抑制の必要性に最近言及している上に、新型コロナウイルスの新たな変異株の出現もそうした動きに拍車を掛けている。

  インフレは一過性の公算が大きいと何カ月も主張してきたパウエル議長は、11月30日の上院銀行委員会の公聴会でこの表現を取り下げる時期が来たとの見解を示し、資産購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)加速を当局として検討すべきだと述べた。また、新たな変異株「オミクロン」については、サプライチェーン(供給網)問題を悪化させインフレ圧力になる可能性があると語った。 

  アルファシンプレックス・グループのチーフ調査ストラテジスト、キャスリン・カミンスキー氏は「多くのボラティリティーを生み出すのは、ある環境から別の環境への移行だ」と述べ、パウエル議長が「一過性」の表現を取り下げたのは、「マクロの観点で別の環境に移行する転換点だ」と指摘した。

  米金融政策見通しへの賭けで使われる2022年6月物ユーロドル先物は、過去5営業日のヒストリカル・ボラティリティーが1年余りで最高に達した。その50日平均は9月半ば以降、上昇トレンドにある。一方、ICE・BofA・MOVE指数で見た米国債市場の向こう30日のインプライド・ボラティリティーは2020年3月の金融市場混乱時に見られた水準に戻している。

  30日の米国債市場はパウエル議長発言を引き金に一気に反転。金利先物は来年の利上げ加速を織り込む展開となった。オミクロン株出現を受けて安全資産需要から低下していた短期債利回りは急上昇し、2年債と10年債の利回り差は一時13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小し88bpと、1月以来最小となった。

後手に回る

  ジョーンズトレーディング・インスティチューショナル・サービシズのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は、「1週間前の米国債市場は来年の金利上昇環境に備えていた」が、「オミクロン株に反応した米国債市場のスクイーズに投資家は不意を突かれ、今度はパウエル議長の発言が再び不意打ちとなった。債券と株式の両方のボラティリティーが高まる下地が作られた」と述べた。

  今後、米雇用統計と物価統計が発表され、12月中旬には連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。年末の流動性減少もボラティリティーを高めかねない。

  先物ブローカー、RJオブライアンのマネジングディレクター、ジョン・ブレイディー氏は「11月のデータは高水準の給与とインフレを示し、米金融当局が後手に回っていることを露呈するだろう。一方でオミクロン株はデータの先行きを曇らせる」と予想した。

Buckle Up

June 2022 eurodollar futures volatility is highest this year

Bloomberg

 

原題:

Traders Are Grappling With a Whole New World of Bond Volatility(抜粋)

 

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