【米国市況】株が反発、ウォール街でコロナ懸念和らぐ-原油も高い
Rita Nazareth29日の米株式相場は反発。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」を巡る最悪のシナリオを見直す動きが広がり、世界の金融市場には相対的な落ち着きが戻った。米国債は下落。
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S&P500種株価指数は幅広い買いで上昇し、月間ベースの下げを埋めた。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は2.3%高。アップルやマイクロソフトなどが堅調だった。
S&P500種は前週末比1.3%高の4655.27。ダウ工業株30種平均は236.60ドル(0.7%)上げて35135.94ドル。ナスダック総合指数は1.9%上昇。
リスク資産の持ち直しを背景に、米国債相場は下落。ニューヨーク時間午後4時16分現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.51%。
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シンクマーケッツのアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「投資家はオミクロン変異株について、先週末に恐れていたほど悪いものではないかもしれないと考え、ワクチンがなお有効だと分かる可能性もあると臆測しているようだ」と指摘。「この変異株をより良く理解するにはしばらくの間、少なくとも2週間は恐らくかかるだろう。この先はボラティリティーが高まる可能性がある」と述べた。
外国為替市場では、資源国通貨がドルに対して上昇。原油の反発に加え、オミクロン変異株の影響を巡る懸念が和らいだことが追い風となった。スウェーデン・クローナやノルウェー・クローネの上げが目立った。一方、逃避先通貨は小幅安。
ニューヨーク時間午後4時17分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対円で0.3%高い1ドル=113円66銭。ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.1281ドル。

ニューヨーク原油先物相場は反発したが、上げ幅を縮小。オミクロン変異株が需要にもたらすリスクや、必要に応じて戦略石油備蓄(SPR)を追加放出する用意があるとあらためて表明した米国に対し、産油国がどう反応するかが注目されている。
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ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は、前営業日比1.80ドル(2.6%)高の1バレル=69.95ドル。一時は7%値上がりする場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント1月限は72セント高の73.44ドル。
ニューヨーク金先物相場は反落。先週末には安全逃避需要で買われていた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は、前営業日比0.2%安の1オンス=1785.20ドルで終了。
原題:Stocks Rally as Wall Street’s Covid Fears Ease: Markets Wrap(抜粋)
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