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「後悔」で幕引き急ぐ、ダイモン氏の中国共産党発言-18時間後に声明

  • 「私が悪かった」と認めた背後に共産党と友好関係を維持したい思惑
  • ダイモン氏のやり方は「より賢い手法」とストラテジー・リスクス
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)

Photographer: Giulia Marchi/Bloomberg

米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、中国共産党に関する冗談を口に出した途端、それで苦境に立つことになりかねないと認識した。

  ダイモンCEOは23日のボストンでのイベントで、「香港に行ってきたところだ。これは冗談だが、中国共産党は創立100周年を祝っており、JPモルガンもそうだ。われわれの方が長く存続する方に私は賭けたい。中国でそれは口に出せない。いずれにせよ彼らは恐らく耳を傾けているだろう」と語った。

  ダイモン氏の軽率と受け取られる発言はこれが初めてではない。JPモルガンとして急ぎ幕引きを図る必要も同氏は承知していた。政府との関係を担当するチームと中国オフィスのメンバーが招集され、放っておけるかどうか協議が行われた。

  コメントが世界的に注目を集める状況がはっきりした約18時間後、ダイモン氏は後悔の念を表明する声明を出した。

JPモルガンのダイモン氏「後悔」、中国共産党より長続きの冗談

ダイモンCEOは中国共産党を巡る自身の発言を後悔していると釈明した。
 

  中国と企業との関係を専門に扱うストラテジー・リスクスの創業者アイザック・ストーン・フィッシュ氏は「中国共産党の感情を傷つけた何百もの個人、企業、団体がこれまで謝罪してきた」とした上で、自らの発言を後悔していると述べたダイモン氏のやり方は「より賢い手法」との認識を示す。

  ダイモン氏が「私が悪かった」と認めたことは、200億ドル(約2兆3000億円)近いエクスポージャーを有し、さらなる業務拡大に野心を燃やす中国で友好関係を維持したいJPモルガンの思惑が透けて見える。

  同行は中国当局から証券合弁会社への全額出資の承認を受けたばかりであり、中国共産党指導部の大幅な入れ替えが来年予想されることもあって、さらなる許認可申請に向け良好な状態を維持したい意向だ。

  ダイモン氏の発言に対し、中国政府当局者は少なくともこれまでは沈黙を守っている。しかし、中国共産党の正統性や台湾問題といったデリケートな問題は特にそうだが、中国の政策に異を唱えると思われる企業や個人に対し、同国は行動を起こしてきた歴史がある。

  2019年にはスイスの銀行UBSグループのチーフエコノミスト、ポール・ドノバン氏が消費者物価上昇に関するリポートで「中国の豚」という表現を使って批判を浴び、同行は解雇を求める圧力にさらされた。

 「中国の豚」発言のエコノミスト休職扱い、UBS火消しに追われる

原題:JPMorgan Started Damage Control as Soon as Dimon Made China Joke(抜粋)

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