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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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岸田首相、石油備蓄の一部売却を表明-米国と連携し原油高に対応

更新日時
  • 原油価格の安定はコロナからの経済回復のために大変重要-岸田首相
  • 放出規模が想定を下回ったことなどからWTI原油先物価格は続伸

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岸田文雄首相は24日、石油の国家備蓄を放出すると発表した。米国など消費国との協調で実施し、原油高の抑制を図る。

  岸田首相は同日、記者団に対し「米国とはこれまでも国際石油市場の安定のために連携を取ってきたが、わが国としても米国と歩調を合わせ、現行の石油備蓄法に反しない形で国家備蓄石油の一部売却を決定した」と述べた。

  萩生田光一経済産業相は同日午後、油種入れ替えの一環として以前から検討してきた数十万キロリットル規模の備蓄売却を前倒しで行うことを明らかにした。売却の時期や量は現在精査中だとした上で、「入札などの手続きを可能な限り速やかに進めていきたい」と話した。

Kashima's Coastal Industrial Zone As Japan's Output Falls Again
エネオス傘下鹿島石油の製油所のタンク(2020年4月、茨城県神栖市)
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  原油価格の高騰が経済に与える影響への懸念から、日米などの消費国は産油国に対して増産加速を求めてきた。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は11月の会合で追加増産を見送っており、米国などの消費国は異例の措置に踏み切ることで原油価格の高騰に対応する。

  岸田首相は、原油価格の安定は「コロナからの経済回復を実現する上で大変重要な課題」と述べ、産油国に対する働きかけを今後も行っていく考えを示した。また、農業や漁業などに対する業種別の対策やガソリンなどの値上がりに対応した激変緩和措置なども実施していきたいと語った。

  OPECプラスは、消費国による備蓄放出に対して現行の生産引き上げ計画を調整して対応する可能性を示唆しており、備蓄放出による効果は限定的となる可能性がある。放出規模が想定を下回ったことなどから、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は23日、2.3%高と続伸した。

原油価格は続伸
 
 

  経済産業省によると、日本は国際エネルギー機関(IEA)の基準ベースで133日分(国内基準で145日分)の国家備蓄を9月末時点で保有している。サウジアラビアなどの産油国と行っている共同備蓄や民間企業が保有する備蓄と合わせると、IEA基準で224日分(同242日分)の備蓄を抱えている。

  政府は国家備蓄の目標量として「産油国共同備蓄の2分の1と合わせて輸入量の90日分程度(IEA基準)に相当する量を下回らない」と定めている。直近の9月末時点の備蓄量で計算すると計136日分となり、目標を大きく上回る水準を保有している。

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(萩生田経産相の発言を追加して更新します)
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